第152話「その視線の先には……」

 悩んでいても仕方がない。

 推測できるというだけで状況は悪化の一途を辿っているのは間違いない。

 このまま放置することも出来ず、周囲を警戒しつつ目の前の男を探ることにするのだがこのまま時間を無駄にすることもできない。


 誰かに見られているような感覚はあったが、ついに気配を探知できる範囲まで近づくものが現れたようだ。

 魔神の男の目的もわからないうちに着々と状況が悪くなる。


 それに子の気配の正体はモンスターお類ではなく意志ある人間だということだ。

 上空にいる自分たちをも認識できるというのならば、ただの野次馬という事はないだろう。


「これだから人間というのは面白い……って言いたいところだけど、ゲームは自分でするのは好きだけど観戦されるのは好きじゃないんだよね」


 ルナの口調は単調。

 怒りの悲しみもなくただただ感想を言うだけ。

 しかし、空気は変わった。

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