第108話「安全地帯」
俺は準備を整えるとその場にとどまっていられなくなり、スペラ達の寝ている病室となっている部屋への扉を開いた。二人は相変わらず深い眠りの中にいるようだ。目覚める気配はない。
雨が激しいために外の空気を吸う為に出ていくわけにもいかない。
もしやと思い辺りを見渡すが、傘のようなものはないが全身を包むことができる程度に大きな布きれを見つけた。撥水性が優れているわけではないのだが、無いよりはだいぶましだと思い頭からかぶるとそそくさと外に飛び出した。
目的は一人になりたかったのと、明るくなった村を軽く見ておきたかったからだ。
真っ暗闇では外に不審物があってもわからない。建物の周囲に土砂崩れの可能性だってある。場合によってはこの建物を支えている地面でさえも安全とは言えないのだから確認をしておくのは至極当然のことだ。しかし、昨日までは余裕もなくそこまで気が回ることはなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます