第29話「スペラ・エンサ~パーティー加入」〈個別ステータス有〉
部屋に戻れば上半身を起こした猫耳の女性が、ラティ達と話をしていた。
「あなたがアマトさんとユイナさんね。ラティさんからお話はお聞きしました。私はエスポワール・ランサ、スペラとエスピスの母です。娘を助けていただきましてありがとうございました。それから、これからの事も聞き及んでおります。娘の立場は承知しております。ですが……どうか、娘の事をお願いいたします」
スペラも、エスピスも語尾ににゃとかみゅとか言ってるのに普通だなぁなどと一瞬思ったが、エスポワールの願いは最初から聞くつもりであった。
「約束します。俺が命を懸けて守ります。次にお会いするのを楽しみにしていてください」
俺は迷うことなく言った。
助けた命にも屠った命にも責任を持たねばならない。
そう、胆に銘じているのだから。
「ありがとうございます。スペラ、アマトさんの力になってあげてね」
「わかったにゃ!! ミャマも帰ってくるまで死んだりしちゃいけないにゃ。エスピスもいい子にしてるにゃ」
頭を撫でられるスペラを羨ましそうに見ているエスピス。
その光景が微笑ましい。
「私たちは今日一日村に滞在し、明日屋敷に帰ることにします。スペラ、今日からあなたは同僚です。これは旦那様よりお預かりした路銀と前報酬になります。旅に役立ててください。お母様とエルピスの事は私たちにお任せ下さい。あなたは自分の使命を全うするのです」
「わかったにゃ。ニャマとエルニャを頼むにゃ」
貰ったお金を背中のショルダーポーチに入れる。
「ラティさん、ミーシアお世話になりました」
「ラティさん、ミーシアさん。先生にもよろしくお願いします」
「じゃあ、行ってくるにゃ」
「皆さんの無事でお祈りしています。どうか、いってらっしゃいませ」
「スペラちゃん、お母さんは私が治してあげるから安心してね」
「おい、アマト!! 女を泣かせる奴は屑だ!! わかったな」
「あんたが泣いてるようじゃ世話無いぜ」
残念イケメンを一瞥すると、うぐぐと呻いている。
見苦しいので、軽く頭を下げてから家を出ることにした。
ユイナとスペラも相当ロイドの事が嫌いなようで、名残惜しくもすんなりついてきた。
「これからは三人で旅に出るわけだけど、スペラには改めてパーティの契約をしてもらいたいんだ。でき今からパーティ加入の条件を説明する。それを聞いて上で判断してほしい。パーティについては他言無用で頼む」
俺は加入条件とその恩恵を生死を除くすべてを説明した。
「最初からアーニャのいう事なら何でも聞くつもりだったにゃ。もちろん答えはイエスにゃ」
「今から、パーティの申請をするから、受託してくれ」
「わかったにゃ……イエスにゃ!!」
スペラが承認するのを聞くと俺は速やかにメニューを開く、すると二人目のパーティメンバーの名前が表示されていた。
種族が白虎人となっているが、虎だとニャーとか言わないはず。
動物園の虎もガウーとかガオーとかそういう鳴き声だったはず。
異世界不思議項目の一つだな。
ステータスは年齢にしては高いように見える。
師匠が従者として俺達に使えるようにスカウトするだけの事はある。
【名前:スペラ・エンサ レベル21 14歳】
種族:白虎人
職業:従者 〈主の指揮命令下で能力UP〉
加護:無
身体アビリティ:SP120
MP220
WP110
筋力70
防御40
俊敏420
器用120
魔力120
精神力50
知力60
霊感30
魅力30
運30
固有アビリティ:獣化 獣疎通効果
アビリティ :痛覚耐性 属性耐性 状態変化耐性 雷属性無効 危険察知 無音歩法
スキル :ブリッツネイル 投擲 電磁浮遊
魔法 :雷魔法 ボルティア サンダー
PP :1820
〈獣化〉
・身体の一部分をより獣に近づけることが可能
・持続時間は現在最大10分
〈獣疎通効果〉
・獣の心を読み取ることが可能
恐らく、成長することによって獣化の幅も広がるだろう。獣との意思疎通ができるのもいつか役に立つような気がする。
今まで、の成長も確認しておく必要があるな。
俺はステータスの関する割り振りはある程度ポイントが貯まってからするようにしていたしね。
【名前:
種族:人間
職業:自称勇者〈全能力補正がかかった気がするだけ〉
加護:無
身体アビリティ:SP250
MP130
WP200
筋力130
防御122
俊敏210
器用120
魔力110
精神力110
知力120
霊感30
魅力30
運21
固有アビリティ:全恵の才
アビリティ :痛覚耐性 危険察知 モンスター情報表示 魔法耐性 物理耐性 属性耐性 方位磁石 時計 叡言
スキル :回し蹴り
魔法 :風魔法
PP :780
【名前: ユフィーナリア・ミヤコ・フィールド・ダークア・エリヲール レベル29 16歳〈17歳〉】
種族:聖エルフ・闇魔族
職業:自称精霊〈精霊信者の同行により能力に補正〉
加護:無
身体アビリティ:SP120
MP821
WP245
筋力220
防御88
俊敏76
器用96
魔力410
精神力200
知力180
霊感92
魅力158
運51
固有アビリティ:叡智回帰 完全空間把握
アビリティ :痛覚耐性 属性耐性 状態変化耐性 詠唱短縮
スキル :投擲 頭蓋粉砕振り
魔法・精霊術・術法:闇魔法 空間操作 闇操作 空間移動 風魔法 竜巻乱舞 氷魔法 治癒 浄化 幻術
PP :1460
筋力の伸びが半端じゃないな。
俺の倍近くもあるし、もう明らかに殴ったほうが強い。
今のメンバーだと全員が前衛という脳筋パーティーになりかねない。
師匠のようなガード兼アタッカーではないので、強烈なのを一撃受ければ皆倒れる。
俺が後方支援に回ることも考えていかないといけないな。
そうなると、ポイントの割り振りはまだいいかな。
正直、どこにどう振り分ければいいのかわからない。
もう少し仲間が増えてから考えることにしよう。
突発的に魔法を使えるようになったりと、無駄に覚えないようにしていたらタイミングがどんどんつかめなくなっていくのだった。
「これから、アルティアに向かう。このまま北に進んで間にある山を沿っていく。まあ、後は村を出てから考えるけど、大丈夫?」
「私はそれでいいと思う。話によればいくつか村と町があるみたいだから、途中はどこか休憩しながらでいいと思うよ」
「ミャーはついて行くだけにゃ。北には一番近い町タミエークがあって何度か行ったことがあるにゃ。そこまでならミャーが案内するにゃ」
「了解。タミエークまでの道案内。頼むよ」
俺達はタミエークを目指して、ライラ村を後にする。
数えるほどしか町や村がないゲームとは違って、首都までは経由するところが多そうだ。
次の街では情報収集お必要もありそうでゆっくりもしてられない。
そんなことを思いながらもライラ村を後にした。
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