第8話 遠いBP、届かない1000

 私はランクマッチに突入して、キャラを少しずつ条件をクリアしていった。

 時々ではあるが、PPが1000を超えることもあったのだ。 コンボ練習に約30分アーケードでは一時間位(キャラによって時々負けて最初からになってしまったので、少し時間がかかっている)そして、ランクマッチでBP1000になるまでうまくいけば2~3時間で終わる。


 トータル時間で1キャラ約4時間位で終わる計算である。 私は、その時は仕事についていたため、仕事が終わってスパ4をやり、1キャラが終わったら一日が終わる計算だった。 キャラは35キャラ位だから一カ月位で終わる!(この時はAEなどが出ていないため、少しキャラ数は少なめである)


 そう思っていた……。

 しかし、そう簡単にいくはずがなかった。 ここで私は思わぬ苦戦を強いられたのだ。 キャラを全部やるのもそうなのだが、相手の動きに合わせるなどの行動ができなかった。 相手の動きに合わせるとは、相手が飛んだら対空や牽制で相手の動きを封じることである。


 これは、対空はアーケードで何とか学べるかもしれないが、牽制に関してはCPUではほとんど練習していなかった。 というよりできなかったと言った方が正しい気がする。


 それはなぜかと言うと、相手は人である。 CPUには牽制しても関係ないみたいな感じになるが、人だとこれはかなり重要になってくる。 この牽制によって相手をジャンプさせるということもできるからである。


 そして、ジャンプしたところで対空で落とす。 これを基礎にすると実力は上がるはずだ。 ただ、私が使っていたキャラ達はCPU戦で成り上がってきただけだ。 いわば、ひよっこである。 そんな状態で対人戦に勝てるのか? 答えはNOである。


 基礎を身に着ける。 そのための練習をしていなかったのだ。 飛び道具がないにしてもスキの少ない技を振れば、多少は早く終わっていたかもしれない。


 最初の数キャラは一日でBP1000はいける計算だったが、時が経つにつれて伸びも悪くなっていった。 10キャラ終わったときは大体2週間は経っていた。

 私も予想外の敵の強さに唖然としていた。 たまには完封されて、ほぼP負けすることもあった。


 そこで、あきらめたかといえばNOである。 意地でもクリアするまでやめねぇぞと活き込んでやった。 むしろ、面白かったのである。 同じキャラでも基本通りに動く人。 敢えて、型を破って新しいやり方を探してる人。 冷たい立ち回りで勝ちを狙っていく者。


 様々なキャラで選んで、自分で動かす。 人によってまったく違う立ち回り。 まさにこれが格ゲーだ!


 この状態を楽しんでいた。 勝ち負けではなく、勝負を楽しんでいた時期だった。 そんな楽しんでいる間も、PPとBPは変動していく。 二カ月経っていた時には大体25キャラ位終わっていた。


 そこで、残りのキャラを確認して、また挑む。 この最後の一カ月と少しはあるキャラで地獄を見たのだ。 正直、私も苦戦するとは思っていなかったのだ。


 まだ全キャラBP1000の道は遠かったのだ。 



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