第28話「スペードのK」
魔女ヤヒュニアによって女の子となり、克巳から克美になった大津克巳。
彼女は古垣怜央とのデートの翌日に現れた、
スペードのQのトランプ兵に伊賀啓介と共に対峙。
そして見事にそれを退けたのだった。
やがて時は流れ、夏休みとなる。
克美は電車に乗ってプールへと向かっていた。
彼女はスカートの中が見えないよう内股で座っていた。
そして彼女が電車から降りると、急な強い風でスカートがめくれた。
なので彼女はとっさに裾を抑える。
その仕草は最早克美が普通の女子生徒と変わりないことを示していた。
「お待たせー!」
待っていた飯塚琴美がそういう。近くには啓介も居た。
「俺もちょうど来たところだが、ちゃんと着替えられるのか?」
「僕を馬鹿にしないでよね」
そして克美が着替えた水着は青のビキニだった。
すると、そこにスペードのKが現れる。
「お楽しみのところ悪いが、今日こそお前達の最後だ。私はスペードのトランプ兵全ての武器が使えるからだ!」
「なら、試してみるよ。啓介!」
「分かってる!」
「「マジカル、オンステージ!」」
すると二人は光に包まれる。
克美にはまずガラスの靴が履かされ、啓介には金で柄を装飾された剣が持たされる。
そして光が衣服へと変化する。
克美の衣装はシンデレラらしく、青いお姫様らしいドレスへと変化していく。
啓介の衣装は王子様らしく、ファンタジックな衣服へと変化していく。
そして光が収まると、二人はダンスを踊るように動いた後でこういう。
「「異世界より現れし尖兵よ」」
まず克美がこういう。
「シンデレラに与えられし力を」
そして啓介がこういう。
「姫を守りし王子の力を」
二人は再び息を合わせてこういう。
「「恐れぬのなら絆の剣を見よ!」」
そして啓介はこういう。
「さあ行くぞ、スペードのK!」
スペードのKは爪を装備する。
「食らえ!」
「どうやら本当に全ての武器が使えるみたいだな」
スペードのKは爪を捨て、日本刀を取り出す。
「リーチを伸ばして来たか!」
「だけど、こいつの弱点が分かったよ!」
「ああ、それは俺も分かった」
スペードのKは日本刀を捨て、モーニングスターを取り出そうとする。
「今だ!」
そういって啓介はスペードのKの懐に入る。
モーニングスターを取り出したスペードのKだが、懐に居ては鎖つきのハンマーは使いづらい。
「食らえ!」
啓介はスペードのKを切り裂く。
「切り替えの虚を付かれたか……無念」
そういってスペードのKは倒れ、消滅していくのだった。
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