第1027話

「え、ビッグダディ死んじゃったの?」

「は? いつだよ?」

「昨日だよ!」

「いやいや、死んでねぇだろ!」

「だって、トランプ大統領が会見してたじゃん!」

「それバグダディな!」

「ほら〜!」

「ほらじゃねぇよ。別人だし!」

「なんで? ビッグダディ、バグダディ。ほら同じ!」

「ほらじゃねぇよ。別人だし!」

「なんで? ビッグダディ、バグダディ。ほら同じ!」

「ほらじゃねぇよ。別人だし! ループしてるし!」

「なんで? ビッグダディ、バグダディ。ほら同じ!」

「ほらじゃねぇし! 違うもんは違うの!」

「どこが?」

「すべて!」

「うそ〜」

「国籍も人種も思想も宗教も違ぇよ!」

「性別は?」

「お、同じだ!」

「ほら〜!」

「ほらじゃねぇし! たまたまだろ!」

「たまたまダディがつくから男なんだね!」

「そゆこと!」


「で、死んだからなんなの?」

「なんなのって、イスラム国のリーダーが死んだってことは一大事だろ!」

「どの辺が?」

「世界の情勢的に!」

「本当? ビッグダディ死んだって世界は変わらないよ?」

「ビッグダディをこれ以上殺すな!」

「いいじゃん、死んでないんだから!」

「とにかく、イスラム国にしたら大統領が死んだぐらいなもんなわけだよ」

「え。トランプさんも死んだの?」

「あくまで例えだからな」

「公ちゃんの例えはピンとこないんだよね〜」

「はいはい」


「で、ビッグダディのさぁ......」

「もういいだろその話」

「あ、間違えた。ビッグボーイのさぁ」

「戦争の話を持って来るなよな」

「え、ハンバーグの話だよ?」

「そっちかよ!」

「つまり、ハンバーグ食べに行こうって話!」

「そういうことなら行くか!」

「うん。行こ行こ〜!」

「てか、この辺ビッグボーイなくねぇ?」

「うそ? 調べて!」

「う〜ん。一番近くて早稲田だな」

「え〜、電車乗るの? そんなに待てない〜」

「じゃあ、他の店だな」

「え〜、ビッグダディの気分なのに〜」

「それどんな気分だよ」

「肉欲的な?」

「意味わかんねぇし!」

「とにかくお肉食べたい!」

「お、焼肉は?」

「あ、それでいいや!」

「牛繁なら目の前だぜ!」

「やったー! 飛んで火に入る夏の虫とはこのことだね!」

「だな!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る