第parsley話

「あ〜!」

「沙羅魅どうした?」

「パセリ超邪魔!」

「おい、パセリに失礼なこと言うなよな!」

「なんで~、緑だし臭いし変な形だしウルトラ目障り~!」

「おいおい、農家の方々が一生懸命作ってるんだからそういうこと言うなよな!」

「なくていいじゃん、パセリ。見栄えとかそんなのいらない!」

「おめぇやけにパセリに厳しいな?」

「だって、パセリってテレビみながら唐揚げ食べたり、眠りながら唐揚げ食べてたら勝手に口の中に入ってくるんだもん!」

「それはちゃんと見ながら喰わねぇおめぇが悪ぃし」

「そんなことないよ。ちゃんとCMも見てるし夢も見てるもん!」

「そっちじゃねぇし! 手元を見ろ! 手元を!」

「とにかく、沙羅魅はパセリの存在もパセリって名前も許せないの!」

「おいおい、沙羅魅! おめぇは今絶対に言っちゃいけないことを言ったぜ!」

「え、なに?」


「親御さん達が一生懸命考えてつけたパセリって名前をそんな風に言うなんて、全国のパセリちゃんにあやまれよな!」

「え~、パセリちゃん全員に? いったい何人いると思ってるの?」

「そりゃ全国20万人のパセリちゃんに決まってんだろ!」

「ははは! 公ちゃんサバ読みすぎ! ハイパー読みすぎ!」

「は? 別に細けぇ数字はいいんだよ。どうせおめぇはあやまるのがいやなんだろ?」

「ちがうもん! 公ちゃんこそ今20万人に入れてもらえなかった全国30万人のパセリちゃんにあやまってよね!」

「はぁ? そんならおめぇが最初の20万人とオレが入れなかった30万人のパセリちゃんにあやまれよな!」

「なんで? 30万人は公ちゃんの取り分でしょ?」

「なんでそうなる? おめぇがパセリって名前が許せないって言ったんだろ!」

「それはそれ、これはこれよ!」

「それはそれ、これはこれってどれがそれでどれがこれだよ?」

「それはそれがパセリちゃんでこれもパセリちゃんよ!」

「もうややこし過ぎだし!」

「もう公ちゃんが代表で全国60万人のパセリちゃんにあやまってよ!」

「おめぇ20万足す30万は50万だし!」

「いいじゃん10万人ぐらい! 来年生まれてくるパセリちゃん予備軍も入れただけでしょ!」

「そういうことかよ!」

「ほらあやまってよ!」

「なんでオレだけ? もういっそ一緒に謝ろうぜ!」

「え〜、なんで沙羅魅まで〜?」

「おめぇが言い出しっぺだろ?」

「もうしょうがないな〜」

「しょうがなくねぇし!」

「はいはい〜」

「じゃあ行くぜ!」

「うん」

「せ〜の、あやまるからな!」

「うん」

「せ〜の!」

「......。」

「......。」



2人がまったく謝る気がないので、ここで代わりに全国のパセリちゃんと保護者様、関係者各位にお詫び申し上げます!


この度は全世界のパセリちゃんに対し、大変失礼な発言がありましたことを深くお詫び申し上げます!

以後このようなことがないよう、トッピングカップルである沙羅魅と公太郎には徹底的な教育的指導をしてまいりますので、どうかご容赦くださいませ。


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