第666666話
「ねぇ公ちゃん!」
「なんだよ急に! 久しぶり過ぎてビックリしたじゃねぇかよ!」
「この前観たあの映画なんだっけ?」
「はぁ? どれだよ?」
「だからあれ!」
「だからあれってどれ!」
「だから! それがわからないから聞いてるの!」
「いやいや、こっちもそれがわかんねぇから聞いてんの!」
「なにそれ! 逆ギレめんど!」
「おめぇこそわけわかんねぇから面倒だし!」
「わかった! 公ちゃんとはもう口聞かない!」
「おう、できるもんならやってみろよ!」
「……」
「今からかよ!」
「……」
「マジかよ!」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「でさ! 公ちゃん!」
「なんだよ急に! 久しぶり過ぎてビックリしたじゃねぇかよ!」
「この前観たあの映画なんだっけ?」
「はぁ? どれだよ?」
「だからあれ!」
「だからあれじゃわかんねぇってさっき言っただろ!」
「だから、あのゾンビが出てくるやつ!」
「お! それそれ! もっとヒントだせ! カモン! 沙羅魅!」
「はぁ? なにそれ! カモンとかキモっ!」
「あぁ、あれだな! いっぱい死ぬやつ!」
「そう。キモいからさっさと死んでってやつ!」
「で、僕は死にマジェンタ! ってやつだな!」
「本当意味わかんない! 顔も見たくない!」
「あれだな、ドアを閉めて扉に背を向けてると手がボアカッタック! て出てくるやつ!」
「擬音までキモっ!」
「だよな。あれは監督めちゃくちゃ頭キテルな!」
「うん! 本当に頭来る!」
「で、いきなり隣人がやって来て斧で助けてくれんだよな!」
「うん。隣人を愛せって言うけど、もう無理!」
「そう。すでにゾンビに噛まれてて途中襲って来たな!」
「で、クラスメイトのカッコいいイケメンが急に助けてくれんの!」
「いや、待て待て、カッコいいイケメンって当たりめぇだろ!」
「え、現代にはカッコよくないイケメン(通称のやつ)はごまんといるよ!」
「なるほどな、映画の中のゾンビみてぇだな!」
「だね! で名前なんだっけ?」
「思い出せねぇな。めちゃくちゃゾンビ映画っぽいタイトルだったのは覚えてんだけどな」
「あっ、思い出した! イアンだ!」
「そっちかよ!」
「で、主人公がメリッサだ!」
「それな!」
「教会行ったよね!」
「行ったな!」
「2人きりの2時間だけのサスペンスロマンス逃避行!」
「あいつらイスをバリケードにしてたな!」
「2人の初めての共同作業!」
「で、結局ゾンビに囲まれちゃうんだよな!」
「で、やり残したことをするんだよね! 祭壇の前で聖書に手を置いて誓うんだよね!」
「あれは泣いたな!」
「うん。思いかけず涙出た!」
「あの展開はマジでずりぃ!」
「裸のおっさんが十字架に磔にされてるんだもんね!」
「そっちかよ!」
「あれはもう笑い泣きだよ〜!」
「おい、宗教的なことにはこれ以上触れるな!」
「頭になんか棘の草を巻いてるしw」
「草じゃねぇ! イバラ!」
「え? ワラじゃないのw」
「なんでもいいし! 兎に角、その宗教的なことにはこれ以上触れるな!」
「えっ、もしかして、FBIが見張ってる?」
「ちげぇし!」
「CIA?」
「YMCAだし!」
「てか、聖書に手を置いたら光っただろ!」
「裸のガリガリおっさんが?」
「聖書が!」
「あああ! そっちね!」
「で、文字が浮かび上がって読むんだよ」
「そう。あの数字ね! 6が6個!」
「ちげぇし!」
「え、違うの?」
「は? ネタバレをオレの口から言わせる気か?」
「うん。YOU言っちゃいなよ〜!」
「しょうがねぇな。66bが浮かび上がって読み上げんだよな」
「そう。ろくろくびー!」
「そうすると、亜空間が開いてロボットが登場!」
「そして、目からビームで1人残らず抹殺!」
「そこ1匹残らず殲滅な」
「どっちも同じじゃん!」
「おめぇが言うとただの人殺しにしか聞こえねぇの!」
「それから、あれだよね。ロボットの首が伸びるんだよね!」
「轆轤首だけにな!」
「よ、よめない!」
「辞書を引け辞書を!」
「え〜! 逆ギレめんど!」
「ちげぇし! 逆ギレじゃねぇし!」
「そっか。マジギレだね♪」
「あれはキャストが全員日本人って言うのが面白いんだよね〜」
「な! まさかあの朝ドラのヒロインがヒロインだったなんてな!」
「で、イケメンがリアルにヘロインやってたんだよね!」
「やってねぇし!」
「え、ジャニーズの……メンバーだよ?」
「おい! TPがフィクションだからってギリギリアウトなデマを言うな!」
「そうかな〜。たぶん揉み消せるけどな〜」
「おめぇの発言はいつも全部がデッドボールなんだよ! 変なとこに当たってんの!」
「あ! それ!」
「あっ! それな!」
「なんとかデッド! 当たってる!」
「ウォーキング……ふにゃらら……んんん……デッドな!」
「そう! 無駄に長くて英語なの!」
「あれは英語っていうよりカタカナな」
「そういう言いがかりはいいから思い出してよ〜」
「日本人が使う英語は和製英語なんだよな」
「本当めんど。つまるところ和製英語も英語でしょ〜」
「で、映画のタイトルなに?」
「おめぇマジで思い出せねぇの?」
「なんとかオブデッドだよね?」
「あぁ、おしいな!」
「もう降参〜。沙羅魅英語は苦手〜。教えてよ〜。オーマイジーザス〜」
「つまりあれだよ。あのゾンビ映画のタイトルは、
《ザ・ウォーキング・デッド・オア・アライブ・オブ・ザ・デッド》」
「あああ! それが答えだ!」
「オオカミ達は出て来てねぇからオチはイマイチだな」
「そだね! 合体ロボと巨大水着ゾンビギャルが戦って平和になるとかマンガの実写版並みの駄作だったよね〜」
「いやいや、B級映画はあんなもんだよ」
「そっか、マンガの実写版が異常につまらないだけか〜」
この『トッピングカップル666666』が平成最後の夏中に666666pvでなんと!
『The Walking Dead or Alive of The Dead』
実写化!!!
……するかも!?
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