第ゆ話

「お湯をコップに入れんじゃん」

「うん」

「熱くて飲めねぇじゃん」

「うん」

「冷ますためにほっとくじゃん」

「うん」

「忘れるじゃん」

「うん」

「超冷めるじゃん」

「うん」

「冷たすぎるから捨ててまたお湯入れんじゃん」

「うん」

「そしたら、また熱くて飲めねぇのな! マジふざけんなって感じだよな!」

「え〜、されはさぁ。きっと公ちゃんがばかなだけだよ~」

「はぁ? それおめぇにだけは言われたくねぇ言葉だな!」


「じゃあ、沙羅魅。おめぇならどうするよ?」

「え、まずコップにお湯を入れるでしょ」

「あぁ」

「それで、そのまま飲む」

「は? 熱ぃじゃん」

「熱いけど大丈夫だよ」

「なんでだよ。ぬるま湯か?」

「違うよ、煮え湯だよ」

「は? マジ熱ぃやつだろそれ?」

「だって、煮え湯を飲むって言うでしょ♪」

「いやいや、それはあくまでフィクションだし」

「え!? そうなの?」

「で、おめぇやけどとかしねぇのかよ?」

「それは余裕、余裕! 余裕でやけどするよ♪」

「それ確実におめぇのがばかじゃん!」

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