第0.8話

「なんだっけ?」

「なにが?」

「あれの名前」

「あれってなんだよ沙羅魅?」

「あのなんか変な名前の」

「グシケン?」

「ちがくて、サルみたいなやつ」

「ガッツイシマツ?」

「なにそれ?」

「サルみたいなやつだろ」

「ちがくて、アウスターピテクタみたいな」

「あぁ、あれな。アウスタラピロテクスだろ」

「そう、それそれ! アウストラピロテクス!」

「ちげーよ、アウスタラピロテクス」

「アウストラロピテクス?」

「違う! だから、アウスタラピロテクス!」

「アウスタラピロテクス!」

「そう。アウスタラピロテクス!」

「なんだ。アウスタラピロテクスか~」


「で、何で急にそれが出てくるんだよ」

「この前、桃苺橙ちゃんとカラオケ行ったらそれ歌ってたから」

「そんな歌あんのか?」

「ついたー! ってやつ!」

「なんだそれ?」

「だからついたー!ってやつ!」

「いや、わかんねぇよ。他の情報を出せ!」

「人類が初めて木星に着いたとかいうやつ」

「あぁ、それな」

「知ってるの?」

「あぁ、ジュピターだろ」

「ジュピター?」

「そう。木星は英語でジュピターだろ」

「えー、ジュピターって木星のことだったの?」

「当たり前だろ。水星はマーキュリーで金星はビーナスだし」

「えー、セーラムーンと同じじゃん!」

「そこから取ったんだろ?」

「じゃあさ、キンモクセイはビーナジュピターかな?」

「あぁ、そうなるな」

「やった、英語力上がったかも♪」

「やれやれ、そんなのチンパンジーでも知ってるぜ」

「えー、うそ~」

「一般常識というか、チンパン常識だな」

「ファァ~! チンパン常識w 」

「お前もう少し勉強しろよな」

「気が向いたらね~」



2人はピテカントロプスになれないかもしれない。

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