第0.9話

「名古屋コーチン食べたいな~」

「なんだよ沙羅魅、急にそんなこと言っても名古屋なんか行かねぇぞ」

「昨日のテレビで宮城県特集で地鶏が美味しそうだったんだよ~」

「はぁ、地鶏は宮崎県だろ?」

「え、宮城と宮崎って違うの?」

「おめぇ地理もわかんねぇのかよ~」

「知ってるもん。チリは南米でしょ」

「なんだ知ってんじゃん!」

「それぐらいわかるよ~」

「いいか沙羅魅。宮城は牛タン、宮崎は地鶏って覚えれば簡単だからな」

「宮城は牛タン、宮崎は地鶏ね。ばっちり!」

「さすが食べ物のこととなると覚えるのが早いな」

「えへへ。まぁね。っていうかさぁ、宮崎ってことは地鶏ってジブリ飯?」

「うわ、マジ? それは気づかなかった!」

「つまりトトロの形したトロロそばも、オームの形をしたオムライスも宮崎県発祥なんだね!」

「すげぇ〜! 青天の霹靂じゃん! おめぇ珍しく冴えてるな」

「じゃあ、ライバルの宮城県は何があるのかな?」

「宮城はジョジョじゃね?」

「ジョジョって絵が気持ち悪いやつでしょ。それじゃ駿の勝ちじゃん!」

「はぁ、飛呂彦なめんな。おめぇブチャラティかよ」

「なにそれ~」

「ブチャラティはギャングだから相手の顔舐めんだよ」

「なにそれ気持ち悪い。それならロリコンの駿の方がかわいいしw」

「ロリコンはかわいくねぇだろ!」

「え~、ジョジョ以外は他にいないの~?」

「はぁ、少しは自分で考えろよ」

「え~、わかんない。名古屋でしょ~」

「あっ、名古屋は鳥山明じゃん!」

「エグザイルの?」

「アニメの話になんでエグザイルなんだよ。ドラゴンボールだろ!」

「そっちか~! 悟空とかアラレちゃんね。それは駿の負けだわw」

「宮城すげぇな」

「うん、宮城圧勝だね〜!」

「オレ名古屋行きたくなって来た!」

「行きたいね、宮城~」



恋する二人はまだ愛を知らない……

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