第0.7話

「スマホってさぁ、変だよな」

「え、なんで? 公ちゃん」

「だってスマートだぜ」

「いいじゃん。頭いい電話でしょ。このパフェ美味しい♪」

「マジ? あっ、うめぇ!」

「でしょ~」

「で、おかしいんだよ」

「なにが?」

「スマホが!」

「え、壊れちゃったの?」

「ちげぇよ、名前がだよ」

「頭いい電話でしょ。やっぱこのパフェ美味しいね~」

「うまいよな~」

「で、おかしいだろ!」

「パフェが?」

「おまえが! てか、スマホ!」

「あぁ、スマホね~。なんで?」

「スマートって細いって意味だろ」

「そうなの? 頭いいじゃないの?」

「だってやせてる人のことスマートっていうだろ?」

「そうだね。沙羅魅みたいにね♪」

「はぁ、おめぇはスマートじゃねぇだろ」

「そんなことないよ。ひど~い!」

「じゃあ、おめぇ今何キロだよ」

「55キロ。女の子に体重聞くなんて失礼だよ~」

「55か~」

「え、何で知ってるの!?」

「おめぇが今言ったんだろ!」

「あ、そっか。でもね公ちゃん、女子はこれぐらいあるのが健康的なんだよ♡」

「普通はな。でも、おめぇ普通よりちっちぇじゃん」

「沙羅魅ちっちゃくないもん! ちゃんと144あるもん!」

「はいはい」

「もう~」


「でスマホはさぁ、名前を変えるべきだと思わねぇか?」

「いいんじゃない別にそのままで~」

「で、オレは考えたわけだよ。頭がいいは賢いだろ、しかもスマホは魔法みたいに指一本で何でもできるだろ?」

「それで~?」

「そして、ついにオレはかっこいい名前を発明した! 名付けてウィザードフォン!」

「マジ?」

「強気と書いてマジ!」

「マジかっこいいじゃん! ウルトラかっこいいじゃん!」

「なぁ、かっこいいだろ。ぴったりだろ!」

「じゃあ、通称ウィザホだね!」

「は、ちげよ。電話はフォンだからウィザフォだし!」

「ウィザフォw」

「これは今年のノーベル流行語大賞間違えなしだな!」

「間違いないね♪」

「記念にアイフォン新しいの買っちまおうかな〜」

「いいね。アップルのフィザフォ〜」

「ちげぇよ!」

「え、なにが?」

「アポーのフィザフォだろ!」

「アポーのウィザフォーw」


隣りのテーブルの人が盛大にMacBookにコーヒーを吹き出したのは、きっと魔法のせいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る