機械少女が笑う日まで・・・
上がり症
エピローグ
乾いた大地に、人ならず化け物が立っていた。その姿は、人智を超えた美しさを放つ少女の容姿をしていた。人よりも強力な力を持って現れた化け物は、訳も分からずに人間達に殺されそうになっていた。
「化け物め!!お前など、死んでしまえ!!」「厄災の化け物めが、コロセ!!」と、多くの人が忌み嫌い、災いの化け物として殺そうとしていた。化け物は、灰色の空に向かって喉が潰れるくらいまで叫んだ
「もう嫌だ!!誰かっ、助けてよっ!!私は、ただ生きたいだけなのに!!」
化け物は、灰色の空向けて泣きながら叫んだ。しかし、誰にも届かず、ただ周りは敵しかいない。
(もう、死んでしまった方が楽なのかな・・・。でも、こんな化け物でも愛してくれる誰かが欲しかった。ただ、それだけが望みなのに。)
そのとき、眩い光が灰色の空から化け物の目の前に一人の少年が現れた。
「遠い場所から助けを求める声が聞こえた。だから、君を救う。」
光の中からそう少年が言った。化け物は混乱と嬉しさが、ごちゃ混ぜになっていた。
ああ、その言葉だけでどんなに救われたか。
ああ、その言葉だけでどんなに嬉しかった。
「うっ・・・、うっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
抑えきれなかったんだ。抑えきれなかったこの想いを、感情を、化け物ははこの少年の言葉で、ずっと閉ざしていた想いが一気に溢れだした。
「肯定して欲しかった。ずっと誰がに、私は存在して良いんだって、認めて欲しかった!!」
化け物は、涙を流しながら少年に抱きついた。少年は、優しく抱きしめながらずっと頭を優しく撫でていた。
「貴方は、わたしを認めてくれるのですか?貴方は、こんな化け物を愛してくれますか?」
化け物は、少年に自分の思いと疑問を投げ掛け、抱きしめる力をより強くした。
「そんなの決まっている。ぼくは、君を化け物とは思っていないからだ!!」
少年は化け物にそう断言し、化け物を守るために今いる敵に向かって剣を抜いた。
「さぁ、始めよう!!君が心から笑える世界にするために!!」
少年は世界を敵にし、たった一人だった化け物を抱きしめながら高々に宣言する。
「ぼくと同じ人であろうと、かつての友だろうと。この子を殺すと言うのならば、ぼくはお前達の敵だ!!」
始まりは偶然なものであったかもしれない。でも、こうして少年と化け物の物語はようやく始まる。
これは、世界を救う物語でも、人類を救う物語でもない。
これは、たった一人だった化け物のために人類を滅ぼすまでの物語。
-汝、世界の摂理換える者。汝、世界を本来の姿に戻す者なり-
機械少女が笑う日まで・・・ 上がり症 @youa
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