れっつ異世界的な
学校ではテスト前ということもあり、教師たちが赤点を取らせないように必死に教えているがまだ5月ということもあり生徒たちも寝たりしている奴が多い。
(なんでこんな学校が進学校なんだよ…)
でもまあ、この時期の学生なんてそんなものだろう。受験が近いわけでもなく、高校1年生のように新鮮味があるわけでもない。だからこそ緩くなってしまうのだ。そう風に自己完結して、俺も眠りに落ちた。
気がつくと授業も終わっており、その後も特に記憶に残ることもないいつも通りを過ごした。
学校が終わり放課後になる。今週はテスト前ということで部活が休みなのか三香や和哉が一緒に帰ろうと誘われた。
「こうやって4人で帰るのも久々だよな」
「まあ春休みや部活で長くこういう機会もなかったしね」
「あ、そうだ久しぶりに創一の家で遊ばね?」急に和哉がそう提案した。
「やだよ、家散らかってるし」と当然のように断っておく。
「別にいいだろ〜、お前一人暮らしだし、何?なんか見られたくないものでもあんの?まあ創一もお年頃だしなー」
「別にそんなのねーし、あっても見られても気にしないよ」
「え、じゃーいいじゃん。私も久々にゲームしたいし。唯もいいよね?」
「私は創一が良ければもちろん、みんなと遊ぶの久々だし…」
「さ、全員一致だぜ。行こうぜ」
「俺は納得してねえよ!」
「まあまあいいじゃんたまにはさ」
「はぁ、しょうがないな」
俺は今高校生ながら1人暮らしをしている。中学を卒業するまでは家族3人で一緒だったのだが入学式前日に急に仕事が入ったとかなんとかで両親はどこか遠くへ行ってしまった。(行き先は聞いてなかった)まあ、仕送りも送られてるので元気にやっているのだろう。俺を急に1人にするだけあって両親共々なかなかの自由人だ。まあそのせいで高校始まった時はかなり焦ったけどな…。まあ唯や三香の助けもあり、なんとかやっていくことができて今では1人暮らしも悪くないと思っている。
学校を出てから30分ほど電車で移動して家の近くまで来た。
「…なんか変だな」俺がそう呟くと
「なに、厨二病ってヤツですか」と和哉がからかってくる。
「アホか、いつも人が多いのに周りに全くいないだろ」
この辺は住宅街になっており、俺以外にも同じ高校に通う奴は結構いる。だからこの時間はいつも人が多いのだ。
「あ、確かにー。もしかして異世界来ちゃったとか?」と三香も軽い感じで流す。
「試験前だから学校に残る人もいるだろうけど、小さい子とか大人の人とかも全然いないね」
この時に俺は家に帰るべきじゃなかったのだろう。だが、
「まあかいいや、さっさと行くぞ」と家に直行した。
家の前まで来て玄関のドアを開けたとたん、目の前が真っ暗になった。
それはどこぞのゲームでバトルに負けた時の表現とかをパクったわけでもなく、本当に真っ暗になっていた。
「…ん、なんだ今のは」そう言って目を開けるとそこは家ではなかった。
周りを見渡すと、何か洞窟の中の儀式でもするんじゃないかというところに俺を含め4人ともいた。
「とりあえず、こいつら起こさないとな」
そう言って俺は和哉を蹴り、他2人を起こした。
「おい、起きろお前ら、大丈夫か?」
「痛っった!!!創一テメぇ
、起こすのくらい普通に起こせよ!」
「あ、創一。って和哉うるさい!」
「仕方ないだろ!蹴られたんだぞ!」
「はいはい、悪かったよ。唯もなんともないか?」
「あ、うん大丈夫だよ。起こしてくれてありがと」
「さて、全員起きたところでここがどこかわかるやついるか?」と聞いてみるが、みんなこんなところ知らないらしい。
「んじゃ、とりあえずどんぐらい経ったのか分かんないけど確認しようか」
「そうだな」と和哉も相槌をうつ
「俺の家まで来たのはいいとして、そのあと何が起こったか言ってみてくれ」
「「「目の前が真っ暗になって、気付いたらここにいた」」」
デスヨネー。そりゃみんな俺と同じ体験してるよな
「俺も全く一緒だ。となるとどうしたもんかな」そう言って、周りをもう一度見ようとした時、急に俺らの下にあった何かが光り始めた。
「うわなんだよこれ!」
そう言ってるうちに全員光に包まれ、目の前に1人?の誰かが現れた。そしてそいつは
「ようこそ、全てが存在する世界<
と告げるのであった。
未知の世界の冒険譚 ななみん @nanamin_alter
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