　生まれて初めて生き物を飼った。

　赤い「金魚」。

　赤いのになんで、金魚って言うのかな？

　オリジナルはとっくの昔に絶滅したから、これはクローン金魚だ。

　目玉が出ているから、出目金だと店の人が言っていた。

　水面に口をパクパクさせて、懸命に私に話しかけてくる。

「お腹がすいた」って言ってるんだ。

　ドンドン、エサをあげよう。

　翌朝、クローン金魚は、お腹を上にして水面に浮いていた。

　動かなくなったから、生きていないようだ。

　口をパクパクさせたのは、酸素不足だと店の人に教わった。

　そんなの、私たちロボットは呼吸しないから、知るわけないじゃない。

　今度は、ちゃんと喋ることのできるクローンを飼うことにした。

「人間」とかいう生き物だ。

　なぜかは知らないが、別名、「ソーゾーシュ」。

　オギャー、オギャーと何か喋っている。

　今度は長持ちしたらいいのになあ。

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