どうしてこうなった

ー勇者side             ー魔王side

「…痛ってぇ。ん?ここはどこだ?  (んぐふふ、我の愛しのスライムたそ。

見たところ、花畑のようだが…。ん  モチモチグミ肌に包まれたときの冷やっ

?この頭から地面に突き刺さってい  こさがたまらぬぅ!ぐふぐふふ~。)

る厳つい図体の化け物はまさか…。」

                  「んぐふへへへへぇ~。」

「うわ!?いきなり不気味な笑い声

を上げるな!気持ち悪い。」

(こいつもしかしてこの状況で眠っ  「んごごごごご。ぐがー。すぴー。」

ているのか…?うーむ、さすがは魔  (スライムたそがいっぱいだぁ~。赤

王。そこいらの人間や魔物よりも図   たんに緑たんに黄色たん。信号機か

太い神経をお持ちらしいな。)     なぁ?うっひょう!桃色たんセクチィ

                   プリチィ!紫たんも怪しい魅力。ぐ

                   ふふんふ~!あっ!?水色たん!黄緑

「このまま滅ぼすのもいいが、今の   たんにくっついたら駄目ぞ!黄緑たん

状況に至った情報が欲しい。仕方な   はおねんねしているのだから、甘えた

い、こいつを起こすか。」       いのならば我のお膝にさあおいで!綺麗

                   なおべべがたぁんとあるぞ。そうそう、

(こいつ一応男だよな?なんか山が   黄緑たんを起こさないようにゆっくり、

できているし。起こすならこれが一   はい良い子でちゅぞ!さぁ、パパの方に

番だよな。こいつの体、アホみたい   ゆっくりあんよあんよちまちょうね~。

に硬いし。よし、せーの…)      はいあんよが上手、あんよが上手。はい

「目覚めよ!古の悪魔よ!!」     じょうじゅn)

                   「ぐぎゃあああああああああああああ~

「おー、効いた効いた。」       ~~~~~~~~~~~~~~!!!」

(凄い勢いで地面から飛び出したな。  「ふんぎぎぎぎぎぎ!我の、我の魔剣が

男の弱点は種族問わずなんだな。)   ぁぁぁ…!」

「目が覚めたようだな、魔王。」    (ぬぅ…。まさか水色たんに急所を噛ま

(まだダメージが残っているみたいだ  れるとは。…ん?ここはどこぞ?スライ

な。おまけに夢と現実の区別がついて  ムたそハーレムは何処に??…ぬ?あそ

いないようだが、大丈夫かな…。)   こで我を睨むのは…勇者!?そういえば

                   我らは激闘を続けておったはず。それが

「おーい魔王、大丈夫かー?」     何故花畑に?いや、それよりも…)

                   「おい、勇者よ!」

「おう、やっと頭の整理ができたか。

なら早速、状況整理でも始めようぜ。」 「我のスライムたそ達をどこへやった!

「…あ?」              ?とぼけても無駄であるぞ!我の前に確

(あー…これまだ区別ができてねーわ。 かにかの者達はおった!あの柔らかな感

やれやれ。)             触は紛うことなき本物!この状況でかの

                   子らに手を出せるのは、我を置いて貴様

                   しかおらぬ!さぁ、尋常に白状せい!」

「なぁ、魔王殿。」

                   「ぬぅ?どうやら話す気になったようだ

「少し落ち着け!!」         な。さぁ、スラたそのゆくe」

                   「あだだだだ!あ、足の小指ぃぃぃ!!」

「ひとまず俺の話を聞け!」

…                  …

…                  …

…                  …

「…というわけで、俺達がここに至   (あぁ…夢とはなんと甘美にして残酷な

るまでを振り返ってみようと思う。   ものなのだ…。この戦いが終わったら我

そうすれば、今のこの状況について   、スライム天国を作るんだい!)

何か分かるかもしれないしな。」    

                   「つまり一時休戦というわけだな。よか

「そうなるな。」           ろう。」

「じゃあまずは、直前の出来事だっ

たであろう、俺達勇者パーティーと

魔王であるお前との最終決戦から思

い出していくとしよう。」

                   「うむ。まずは我が暗黒の波動を放ち、

(暗黒の波動…聖なる力を石に変え   貴様を庇った仲間たちは一瞬にして石と

る恐ろしい魔王の術。女神すらも石   なった。続けて残った貴様も石にしてし

にしてしまった禁忌の力だったな。)  てやろうと二度目を仕掛けたが…。」

「伝説の聖剣ホーリェの力で俺には   (ホーリェ…我が魔槍ダークンとは双子

効かなかった。」           の創世武器。創世神の加護は絶大だな。)

                   「以後は、破壊で以って互いを滅そうと、

                   光と闇の魔法・剣槍技の応酬。」

「覚えているぞ。お前の膨大な魔力   「ふん。」

に怪腕。平和への意志と仲間たちの   (その華奢な体から溢れる無限大の光こ

思いが無ければ、対等に渡り合えは   そ我は賞賛したいものだ。敵ながらまこ

しなかっただろうな。」        と天晴れ。)

                   「それから戦局は拮抗したまま動かず。」

「両者消耗する一方で決着に至らな

かったんだよな。」          「うむ…。」

「果てに俺達は魔力を使い果たし…。」 

                   「地べたに倒れ伏した…。」

「そしたら…」

                   「したらば…」


             「剣と槍が勝手に動き出した!!」


「そうだ!!何か剣が人間の女の姿   (ダークンがサキュバスのような容姿に

に代わって、不甲斐ないだのもっと   変わり、でかい図体をもっと生かせやら

頑張れだの散々罵られて…。」     根性無しやら罵倒されて…。)

「…。」               「…。」

「姉妹喧嘩を」            

                   「始めたな…。」

「ホーリェの聖なる力で魔王城一面

が花畑…。」

                   「ダークンの闇の力で周囲は暗黒に包まれ

                   た…。」

「そして俺達は…。」         「して、我らは…。」

「…。」               「…。」

「魔王。」

                   「うぬ。」


             「彼女達を止めよう!!!」


「このままでは、光と闇の戦い以前に  (創世武器同士の衝突となれば、人魔だけ

世界が滅びてしまう!」        に止まらず、神々まで滅びるぞ!)

                    「ぬん!勇者、あの球体の中ぞ!」

「よし!魔王、お前の力と俺の力で…」 (んん?この状況、先ほどもあったような

(あれ?なんかこっちにきらりと光る  …気のせいか?)

何かが…?)

「魔王、やばいの来る…。」       

                   「え゛?」


(あぁ…そうだ。起きる前も同じ事を  「ぬがあああああああん!!!!」

して吹き飛ばされて…。)


「ぐぺっ!!」            「んぼほぅぅぅぅぅ!!!…むにゃ。」


(ああ…魔王。また頭からずっぽりと。 「んごごー!ぐごーZZZzzzz」

お前、転生したら立派なメタセコイア

になれるよ。うん。そしたらうちで買

い取って、大切に育ててやるよ。あは

ははは。あー…いしkg…。)

                   (んん?ここは…。ぬほほぉぉぉぉぉぉ

                   !!??スライムたそがいっぱいおるで

                   はないか!!そうか!我は休暇を利用し

                   てスライム天国に来ておったのだな!よ

                   しよし、久々の休暇故、心行くまで楽し

                   むぞぉ!!ぐへへへへ!!!)

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