第42話 旅の終わりに

 翌々日、俺たちはルアンパバーンの小さな空港から飛行機でバンコクに帰った。


久々に訪れたスワンナプーム空港からARL(エアポートレールリンク)に乗り継いで都心部へと入って行く。


舗装された道路に近代的なビル。

いつも居眠りをするコンビニ店員や、毎日値段が違うフルーツ屋台のおばちゃん。


そこには勝手知ったる日常があった。


バンコクに来て一年余り。

住めば都とはよく言ったもので、俺はこの街が第二の故郷のように感じられた。


「いろいろあったけど、ナオキと旅ができてよかったよ」


俺は、普段なら絶対口にしないであろう照れくさい言葉を相棒にかけた。


「こっちこそ、ありがとうございました。いつかまた一緒に冒険しましょうね!」


アパートの前で固く手を握り合う二人には、この先どんな未来が待っているのか?


けっして平坦な道ではないはずだ。


だが、仲間となら乗り越えられる気がしていた。


困難は自分一人だけのものではない。喜びも悲しみも分け合えば良かったのだ。


 この旅を区切りに、俺たちはそれぞれのターニングポイントへと突き進んでいく。

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