活路を見いだせ!

「はぁ~。テコ入れしたつもりだったんだけどなー」


タケルがワンカップ片手にスルメをかじりながら薄曇りのどんよりした空を見上げつぶやく。


「・・・・前回のも全然ダメだったね。PV0だよ。このまま消えちゃうのかな僕達」


少佐もため息混じりにウイスキーをちびりとやりながらタケルに続く。


「やっぱさー、異世界召喚ネタじゃないとダメだめなんじゃねーの?」


タケルがこの状況を打破する解決策を提案する。


「しかし、制作サイドとしてはDJバトルもので行きたいらしいしな」


メガネが焼酎の水割りが入ったグラスの氷を回しながら本筋に立ち戻る。


「うーん×3・・・・」


「そもそもさ、この話ってテンプレの異世召以前に萌えっ子の出現率が低すぎると思わない?」


アイドル好きの少佐が苦言を呈する。


「そーそー、やっぱ萌えっ子だよなぁ。だって俺デュリスト目指してるのって売れっ子になってモテたいからだし」


タケルが本心をさらけ出す。


「大体さ、DJバトルものとかいう割にほとんどデュエルなんかしてないよね」


少佐が本質を突く。


「フム・・・・では、デュエルを前提としてこういうのはどうだろう?」


冷静沈着なメガネが今にも消えてしまいそうなストーリーの改善策を打ち出す。


テロップ:

ラブ○イブみたいなの


「あーラブライ系ね。最近2期もはじまったしな」


タケルが若干食いつく。


「キラキラしてた

キラキラ輝く・・・・」


少佐がラブライ2期2話のラストの歌をハミングする。


サウンドデュエルに恋してる♪


サウンドデュエルにドキドキしてる♪


「的な」


アイドルヲタの少佐が新たな方向性を示唆する。


「でもそれって俺らがやってもニーズ的にどうなのよ?」


タケルが珍しく現実的な意見を発する。


「悪くないかも知れん。ここはあえてオス度の高い点を逆手に取り女子受けを狙った作品にシフトチェンジというのはアリかも知れんぞ」


メガネが建設的な方向に話を進める。


こうして学校帰りの公園で繰り広げられるあーでもない、こーでもないという酒まみれのミーティングは夜通し続いた。

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