第2話 れべる あっぷ

「勇者になるのは納得してないけど、帰れないのは分かった。で?俺はこれから何したら良いわけ?」



やっぱり勇者が魔王を倒す序盤って言ったら、スライムみたいなのを倒して経験値あげるとか?



「そうですねー。ではとりあえず、手始めに魔王を倒してください」


「まさかの予想外!!ちょ、魔王倒すのが目的じゃないの!?」


「え…、でも帰るにはそれが一番手っ取り早くありません?」


「死ねと?俺に死ねと言っているのかお前は!」



経験値ゼロの見習い勇者が経験値MAXの魔王を倒せるわけないでしょうが!

なんなの?バカなのコイツ!?



「分かりましたよ。…じゃあ、王様にでも会って魔王城までの交通費とその他雑費をふんだくりに行きましょう」


「概ね間違ってなくもない気がするけどその言い方なんか嫌!!」


「我儘な勇者様ですねー」


「じゃあチェンジすればいいじゃん」



俺が嫌なら他の奴を呼んで。

そして俺をコンビニまで帰して。肉まんの行方が気になるから。



「あ、それムリです。貴方を呼んだ神官の力が尽きてしまって」


「はっ?」


「この世界は今まさに魔族の気に満ちてまして、とりあえず魔王を倒すまでは力が貯まらないです」


「マ ジ か」



え?なに。じゃあマジで勇者として魔王倒さなきゃいけない感じになってる?



「はい」


「頼むからいっそ清々しいほどの笑顔で肯定しないでっ」



▼ 勇者はツッコミスキルが上がった

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