第7話~誓い~

 次の日、フレアくんと一緒にリュウさんの様子を見に行くと、既にガリューさんとアンドリューさんが部屋にいた。リュウさんも起きて、二人と話してる。

「姫様…!」

「リュウさん、よかった。傷は痛まない?」

「はい、ありがとうございます。ご心配をおかけしました。」

 そう言ってリュウさんは頭を下げた。

「頭を下げるのは私のほう。いつも守ってもらってばかりでごめんなさい。」

 慌ててそう言って頭を下げる。何も言われなくて辛い…。でも、頭を上げるわけにはいかない。

「我らは、姫様の盾になると、決めたのです。」

 少しの沈黙を破ったのはアンドリューさんだった。珍しく固い言葉。その言葉に涙が出てくる。

「怖いの…。私は、この中の誰も、死んでほしくありません…。でも。夢を見るんです。私だけが生き残って、みんなが居なくなってく…。それだけは、いやなんです…。だから…。」

 『私は城に戻ります』そう言いかけた時、肩に手を置かれる。顔を上げると、フレアくんが優しく微笑んで首を振った。

「ゆずり、それはここにいるみんな同じ考えだよ。だけど、それだけじゃないんだ。」

 フレアくんが言うと、みんな頷く。

「ゆずり姫。あなたは我らの希望です。」

 リュウさんがまっすぐ私を見て言う。

「前の草原でも言いましたが我らが忠誠を誓うのは姫だけです。」

「希望が無くなると、人は生きていけません。」

 ガリューさんとアンドリューさんがそう言うと、四人は私の前に膝まづいた。

「我ら四人、いつまでも、あなたと共に…。」

 フレアくんがそう言って締めた。

「みんな…。」

「…もし、ゆずりが城に戻るなら、俺たちは一緒に行く。」

「そんなことしたら、みんなが…!」

「うん。分かってるよ。でも、それくらい本気なんだ。」

 フレアくんがそう言って、私をまっすぐ見る。本気の目だ…。こんな時、私は主として覚悟を決めなきゃいけない。

「…みんなの覚悟、受け取りました。お願いです、誰も欠けることのないようにしてください。そして、皆で安全なところまで行きましょう。」

 私が言うと、みんな頷いた。

 今は、これでいいんだ。みんなで安全なところまで行って、それから色々考えればいい。私は、この四人の主であり、希望なんだから…。

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お姫様と騎士団 雪野 ゆずり @yuzuri

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