第10話

今日はようやく未来の日

くじを引く未来を見ながら

心の中で、なるべく酷いやつが当たることを願う


一枚の紙を選び先生がそれを開く


「ご飯に牛乳をかけてもらいます」


と、いつも通りの口調でそう言った

「は!?そんなの無理です!」


未来が先生を睨みながらそう言う


確か未来は牛乳が嫌いで

いつも残していた


「嫌ということは、いじめと認めることと同じです。」


先生がそう言うと

「私は牛乳が苦手でだから!」

と反論をする


「確か前に、嫌いなものをみんなであげて食べさせる。と言うのがありましたね。あれと同じになり、結果的にいじめと認める事になりますが?」と先生が言うと


「もういいです。食べればいいんでしょ?それくらい余裕ですよ」


と、未来は強がり席に戻った


私は内心すごく喜んでいた

未来がいじめだと認めれば

もう誰も我慢して「いじめじゃない」と言わなくてすむ。

ちょっと未来を懲らしめてやりたい気持ちもあり

正直ざまあみろと思っていた


給食の時間になるまで

未来はずっと先生の悪口を言っていた


こんなの教師がやることじゃない

教育委員会に訴えてやろうか


いろいろグチグチ言っていたけど

誰かが「結果的に私達が朱里にやってた事だから、朱里をいじめてたって認める事になるよ」と言うと、未来は黙ってしまった


朱里の事があってから

みんなと距離を置くようになり

周りをよく見るようになった


そして気づいた事は


未来は機嫌が悪いとわかりやすい

だから彼女の機嫌が悪いと誰も近寄らない


そして影で彼女の悪口を言ってるものが数名居るという事だった



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