第11話

給食の時間になり

未来の横の席の人が

牛乳の蓋を開け、ご飯にかけた


未来からの横の横だった私のところまで

牛乳の気持ち悪い臭いが来た


周りもその臭さに鼻をつまむ


朱里の時はふざけてちょっとかけたくらいだったが、未来のご飯に牛乳をかけた子は、いつも未来の悪口を言っていた子で、わざとなのかドバドバとかけた


牛乳の匂いで給食どころじゃない


それはみんな同じみたいで

「早くそれ食べろよ!臭くて食えねーだろ」

と我慢の限界を達した男子が未来にそう言った


彼女はどうしてもいじめだと認めたくないのか

器をもって口に書き込んだ


周りがありえないものを見るような目で見つめている中


「オエッ」


未来が吐いた


ドバドバっと液体と個体の混ざった物が床に落ちる


周りの席の人は悲鳴をあげながら席を立って彼女から離れた

もちろん私も席を立ち後ずさりをする


離れた席の人たちは

何が起きたのかとこっちを覗き込んでは悲鳴をあげる


流石の私もここまでくると

ざまあみろなんて思えなくなってきて

朱里にしていた事がどれだれ最低だったのか思い知った。きっと未来も


未来が口を抑えながら走って教室を出て行く


先生が「あーあ」と言いながら未来の吐いたものを片付ける


流石にあんな物を見た後で給食を食べる気になんてならなくて


残りは全部残した


STの時には未来の目は完全に死んでいて


「いじめです」

とあっさり認めた


未来のご飯に牛乳をかけた子は

すごく申し訳なさそうな顔で未来に謝っていた


その日から未来は大人しくなり


自分の罪に気づいたのか

みんなに「ごめん」と謝った

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