第45話 ごちゃごちゃ言わずに病院行け

 とは言いますが、ADHDやアスペルガー症候群などの発達障害を疑われている人ほど、病院には行きたがらないと思います。

 前にも述べましたが、そもそも「自分が病気であることに気付いていない」のでなかなか病院には行きたがらないものです。


 風邪は熱が出たり咳が出たりと症状が目に見えて現れますが発達障害というのは目に見えて現れる病状は少なく、特に自覚症状というのは皆無に等しいと思います。

 なぜなら病状を「個性」だと勘違いしているケースが多く(実際私もそうでした)「変わり者」として学校生活や社会に「引っ付いて」いることが多いからです。


「いや確かに嫌われてるけどけど病院行くほどじゃないし」


 そう言うあなたも今すぐ病院に行ってください。とにかく、四の五の言わずに、今すぐ、病院に行ってください。




 また、ネットで転がっている情報というのも治療前においては害悪になることが多いです。

 ネットによく転がっている「二週間で鬱が治った!」っていうのはあくまで「民間療法」であって「治ったらすごい!」というものです。

 一方それとは反対になる医者による治療は「標準治療」と言いまして「治って当たり前で全くもってすごくもなんともない」というものです。


 医者というのは世界中の文献や実験結果を読んで、それを使った「一番根拠のある」治療法を提供してくれます。

 その一方で民間療法というのは良くて国内、下手したら県内の良くなった事例だけを取り上げて(これを難しい言葉で言うと「正常性バイアス」と呼びます)「鬱が治った!」と言うわけです。


 治った事例の下にその何倍、時には何十倍もの「治らなかった」事例は土の下に埋められてしまいます。だって治らなかった事例を出しちゃうと売り上げが落ちるんだもん。そりゃおまんま取り上げになっちゃうから言うわけがないでしょう。




 こう書くと「医者にだって悪い奴はいる!」という声もあがるでしょう。そりゃ医者にだって無駄に薬ばかり出してカネだけ取るような悪質な奴らもいますし、実際私もそういう医者に会ったことがあります。

 ですが、一応は医師免許という国からのお墨付きがあるため、何の資格も要らない(ここは重要に重要です)民間療法に比べればまともな人の割合は確実に増えます。

 ですので民間療法に頼るくらいなら医者に診察してもらった方がまともな治療を受けられると思います。


 たとえば乳ガンの治療で医師からの「乳房切除」がどうしても受け入れられずに民間療法に頼った結果、ガンが全身に転移して死亡。なんいう事例は残念ながら探せばかなりあるでしょう。

 さすがに発達障害は乳ガン程の致命的な病気ではありませんがそれでも民間療法に頼ったらほぼ確実に痛い目に遭うでしょう。

 苦しかったら病院行け。迷ったりしている時間がもったいないので思い切って病院に行って治療を受けてください。

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