第44話 薬ヤバくね? いやヤバくねえ

 さて、病名がついたらお薬が渡されるわけですが、この薬に関しても誤解が多いと思います。



 私からすれば「一度精神科にかかったら最後、薬漬けにされてケツ毛残らず搾り取られる」等と言う「狂ってる漫画の読みすぎだろバカかお前。んなもんばっか読んでると頭おかしくなるぞ」と思うような意見が今現在でも見受けられるのには閉口してしまいます。


 言いたくなる気持ちは全く分からない、というわけではありません。実際アメリカでは不必要に薬を処方して問題になっているそうです。

 物理的に薬を出し過ぎという点もありますが、作用する部分がのどや鼻と言った単純な器官ではなく、脳という人体の中で最も複雑な部分に作用するのでそういう偏見が絶えないのでしょう。


実際、服用すると副作用として眠気やふらつきが出るような薬が多いです。それを父は「強い薬だね」と言ってたくらいですので、多分それなりに副作用は出やすい薬だと思います。



ですが、そもそも中毒性の出てしまう薬は薬として認可されませんし、仮に認可されても細心の注意を持って使用されることになるので、その辺の心配はないと思います。


 しかも効き目はもう「人による」としか言えず人によってはものすごく効く薬も他の人にはさっぱり。何てことも当たり前のようにあります。

例を挙げると私の母親は「デパスを飲むと目を開けてられないほど眠くなる」らしいのですが私の場合飲んでもそれほど強烈な眠気はありません。

 そもそも効いてるかどうかすら怪しい部分があります。



 昔インフルエンザ薬のタミフルが「飲むと頭がおかしくなって窓から飛び降りてしまう」なんていうセンセーショナルな報道がされましたがあれは視聴率稼ぎのためのデマの一つです。

 インフルエンザの特効薬という素晴らしいメリットを無視して、デメリットばかりを報道するのは地獄へ落ちるべき大罪だと本気で思っています。


 もちろん薬自体一種の毒のようなもので乱用すると害になりますがそれは市販の風邪薬だってそうです。どんな薬も使い過ぎると体に害は出ます。

 しかしそれと薬の作用によるメリットを無視するのはトンチンカンもいいとこですし論点をずらして「薬は悪だ」と言いたいだけの愚か者としか思えません。



 お医者さんは出来るだけ副作用が出ない飲み合わせを考えてくれるので副作用が出る事はかなり少ないですし、万が一出てもすぐに先生に言えば薬を変えてもらえます。

 それに薬の増え過ぎが心配なら「減薬治療」をしたいと言えばいいんです。それで渋るようしていたら医者をチェンジすればいいだけです。



残念ですがどの種類の医者にもろくに効きもしない薬を渡すだけ渡して金だけ取るようなとんでもないヤブ医者はいます。これは断言して良いです。います。ただ、それは心療内科だけでなく外科や内科、耳鼻科にも眼科にもいます。


 でも不安にならないで下さい。今の医者に不満があるのなら医者を変えてもっとちゃんとした医者にかかる様にすれば全く問題ありません。最初に選んだ医者と一生を共にする理由なんて何一つありません。

 ですので合わないと感じたらためらうことなくどんどん医者を変えましょう。そう、変えても良いんです。



 ちなみに薬を飲んだ後効いているか、副作用は出ていないか等をきちんと記録して、次回以降の診察で答えられるようにしておいてください。

 お医者さんにとって薬が体に合うか合わないかが一番の心配事です。今後の治療の役に立てるようにしっかりと記録を取っておきましょう。

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