第46話 発達障害の病名が必要な理由
ADHDやアスペルガーと言った「ビョウキ」の診断名は、果たして本当に必要なのかという意見も少なからずあります。
病名が出ることで差別される、病名に甘えて改善をしようとしなくなる、といった悪影響があるとは私も聞いています。
ただ、それらのデメリットよりメリットの方がはるかに大きいと思っていますので病名がつくというのは「アリ」だと思っています。
まず「本人に改善しようとする意志が産まれる」という事が大きいです。
病名が診断される前は本当に「何故友達から嫌われるのか全く分からない」と本気で思っております。
なぜなら自分は間違っているとは全く思っていないからです。自分は「普通」に接しているのに、「なぜか」他人から嫌われる、「なぜか」打ち解けない。どこがおかしいのかも分からないし、そもそもおかしい事に気づいていない。病名が診断されるまでは終始そんな感じなのです。実際私がそうでした。
自分がおかしいことに気づいてようやく初めて治療が可能になるので、病名が診断される=おかしいことだというのが証明されるというのは大きいです。
実際私もADHDとアスペルガーの併発だという事を診断される前は自分がおかしい人間だという事には一切気づきませんでした。
普通にしているだけなのに「なぜか」クラスメートとトラブルになって、「なぜか」変わり者扱いされてしまう。その理由が全く持って分からない。そんな状態でした。
他にも「家族が子育てにあれこれ苦労しなくて済む」というのも大きいでしょう。
発達障害の子供は集団生活になじめず孤立してしまいがちです。
それを見て「私が駄目だからいけないのでは」と悩んで、あるいは周りの人から「お前の教育がしっかりしてないからいけないんじゃいか!」と責められてどんどん弱っていき、最悪の場合うつ病、さらには自殺、無理心中……なんてことも起こってしまいます。
しかし病名が出てしまえば「私は悪くないんだ」と思えて前向きに生きる事が出来る様になります。
特に子育ては問題や悩みが多く、それが原因で自殺、あるいは子殺し、一家心中なんてこともあまりニュースにはなりませんが起きていますのでそれを防ぐという意味では非常に大きなメリットだと思います。
しかも病名が出た後はそれに合わせた教育に切り替えることができるので子供にとっても親にとっても良いことだと思います。
こんな感じで病名を診断してもらうことは大きなメリットになります。ですので病名がつくのは「アリ」だと思っています。
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