ADHDについて

第22話 良く考えてごらん←地獄だ

 あなたも怒られた際に「よく考えてごらん」と言われたことはあるかともいます。

 あれは「起きてしまったことを冷静に分析して2度と起こさないようにするのはどうすればいいのかよく考えてごらん」という意味ではなく「オレの怒りを鎮めるにはどうすればいいのか、俺の気分になって必死になって考えろ」という意味である場合が多いとのことです。



 定型発達者(いわゆる普通の人)はその辺がなんとなく理解できるらしいのですがアスペルガー症候群を抱えている方には今一つ理解できないものです。

 まず相手の気持ちになって考えるというのが非常に苦手で、そのうえで空気を読むことも大変不得意としています。(前にも言いましたが「空気は吸うものだろ」というわけです)


 さらに言えば「よく考える」という抽象的な命令を理解することもほぼ不可能です。発達障害を抱えていると抽象的な指示はどうしても理解しがたい物になります。


 実際昔やっていた仕事で失敗した際には「よく見て!」と注意されたのですが

 どこをどう、どんな風に見れば「よく見る」という定義にあてはまるのかが分からず、かといって聞くわけにもいかないのでとりあえず自分なりに解釈して何とか仕事を回していたという感じです。(結局辞めてしまいましたが)



さらには言葉の裏を読む能力も日本に住むにあたっては致命傷になるレベルで低いです。

なので、「本当に」よく考えてしまうのです。そしてまた「良く考えてって言ったでしょ!?」と怒られるわけです。良く考えたのに何で怒られるの? と思うわけです。



ですので「よく考えろ」と言う言葉には本当に地獄のような苦しみを味わうことになります。というか現在進行形で味わっております。

相手の気持ちが理解できない、空気が読めない、抽象的な命令が理解できない、言葉の裏の意味も解らないという定型者にはおおよそ理解していただくことが出来ないであろう4重苦で苦しんでいるわけです。可能でしたら極力使わないよう心掛けてください。

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