第63話 共存するためにして欲しい事:とりあえず肯定する

 ADHDとアスペルガー両方に言える事ですが、何を言ったとしても「ああそうか。それは大変だね」などとりあえず肯定してあげてください。


 発達障害を抱えている人は集団生活で求められることが産まれつき出来ない、あるいは非常に難しいため溶け込めない人が多く、問題児のレッテルを貼られていることが非常に多いです。

 そのため褒められたことよりも叱られたことの方が非常に多く、自尊心が低い傾向が非常に高いです。前の話で述べたように「意図的に」褒める回数を上げないとつり合いが取れないのです。



 特にアスペルガーだと思われる方は完璧主義が度を過ぎてしまっていて自己肯定できる経験に乏しく、自分には何の価値も無い、みんなは完璧に出来るのに自分一人だけなぜできないのだこの屑め。と本気で思っています。実際、私もその一人です。


 正直頭ではそれは偏った映像だというのは理解していますが心や魂と呼べる分野がそれを否定している毎日を送っています。

 そのせいで自分以外の人は当たり前のように出来ている機械のようにミスなく正確な事が出来ないと思い、陰鬱とした感情をいだきながら生活しています。



 そのままだと最悪自殺、そうでなくてもうつ病になってしまう可能性すらありますのでたとえどんなに納得が出来ない事だったとしても上辺だけで構いませんので否定せずに肯定してあげてください。

 当事者にとってはそれだけでも嬉しいものです。



 そんなの甘えだ。と言うかもしれません。確かに甘やかすと駄目になるという側面はあるかもしれません。

 ですが発達障害を抱えている人は人並み以上に厳しい環境で育っているので健常者からすれば甘えと言える部分が必要なのかもしれません。


 発達障害者に限った話ではないのですが「正しいこと」は「正解」とは限らないのです。

 時には「正論」が「間違い」である事もありえるのです。健常者の方には信じられないかもしれませんが、正論という名の「暴力」に叩き潰されそのまま再起不能になってしまう人もいるんです。



 というか暴言を言いますが健常者にとって発達障害に認定されている人自体が「間違ってる」人たちなんですよ。空気の読めない奴なんて間違ってる、おかしい、変な奴、狂ってる……そう言いたいんでしょ?

 もちろん「そんなわけないじゃないか」と表面的には言うでしょう。でも心の底ではそう思っているんですよね?


 その思いが発達障害者全員を苦しめているんです。ですので甘えと呼べるぐらいでちょうどいいのではと思います。

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