第59話 円滑に過ごす処方箋:手を抜く
手を抜く。と書くと「何だ手抜きか? ふざけるな!」とお怒りかもしれません。ですが特にアスペルガーの方にはこのプロセスはどうしても必要なのだと思います。
と言いますのもアスペルガーの方は「0か100か」という極端な思考を持っているというのは前にもお話したかと思います。
仕事の質にこだわるのであればそれでもいいかもしれませんが時には「60点でもいいから時間重視でさっさと仕事しろ」と言われる時もあるでしょう。 そういう時にこの極端な思考が障害になってしまいます。
アスペルガーの方にとっては100点か0点かのどちらかで、60点で良いというのは基本的には許されません。
ですので全ての仕事で100点を取ろうとして時間ばかりかかって「早くしろ!」と怒鳴られることが非常に多いです。
もちろん100点の仕事を求められている時は100点でなくてはなりません。
(心臓外科医とかは「間違って違う血管切っちゃいましたテヘペロミ★ なんて許されませんからね)
ですが、そうでなければ、例えば60点の仕事でよい時に時間ばかりかけて100点の仕事をしなくても大してプラスの評価にはなりません。
むしろ時間ばかりかけて何をやってるんだ!と怒られる要因になってしまいます。そのため「60点の仕事を求められている時には60点の出来で良い」のです。
これは歴史の教科書が書き換えられるクラスの衝撃だったのですが手を抜ける場所は手を抜いていい。という考えは気づくまで全くありませんでした。
それまでは全ての事に全力投球、それこそ仕事する時も爪を切る時も全く同じように全力投球でした。
さらに言えば「60点で良い仕事を100点で出しても労力ばかりかかる割には大してプラスの評価にはならない」というのも天地を揺るがすほどの衝撃でした。頑張れば頑張った分だけ評価してくれるとばっかり思っていましたからね。
しかしそれですといつかエネルギー切れを起こしてぶっ倒れてしまうでしょう。
そうなる前に「手を抜ける場所」は「しっかりと」手を抜く必要があるでしょう。
特にアスペルガーの方はこの辺を意識しないといつか燃え尽きてしまうかもしれません。
もちろん求められる仕事の品質を的確に見抜く必要がありますが優先順位をつけて簡略化、省略できることは手を抜いてください。
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