第31話 覚えられない
ADHDは一般的にワーキングメモリーや短期記憶と呼べるものがあまり発達しておらず、短時間(数秒から2~3日)の記憶が苦手とされています。
さて、ワーキングメモリーと短期記憶いう何やら不可思議な単語が出てまいりましたが、ADHDを語るうえでは欠かせないので解説いたします。
ワーキングメモリーとは「作業記憶」とも呼ばれ、短時間の間に渡された仕事の内容を順序良く組み立てて処理して、それをこなす。
というごく短期間、それこそ数秒から数分程度の記憶の事です。
ワーキングメモリーを鍛えよう! という本も結構でているので、知っているという方もいるかもしれません。
短期記憶というのはワーキングメモリーよりもう少し格上の記憶媒体で、2~3日程度の比較的短い期間の記憶を保存しておくものです。
ワーキングメモリーと違って順序良く組み立てて処理すると言った計算は出来ず、ただ記憶をしまっておくことしかできません。
ワーキングメモリーはCPU(他にも「作業をする机」に例えられることも多いです)、短期記憶はHDD、あるいはメモリーカードと言えば理解して頂けるでしょうか?
このワーキングメモリーと短期記憶というものがADHDではあまり発達しておらず、自分のやっていたことをすぐに忘れてしまうというのもあります。
実際私もあまり発達していない方らしく、以前勤めていた仕事では休憩前にやっていて終わった後に再開する事をコロリと忘れて、何をやっていいのか分からない状態になり、先輩から指摘されて大慌てでやるなんてこともあります。
(その割には暗算は出来るんですけどね。それが不思議です)
これが酷いと会話しながらその内容を覚える事が出来ずに何度も聞き返してしまう。とか、時には言った言わないで口論になったりと様々な悪影響が出てしまいます。
非常に困った事になりますが、本人は悪気があってやってるわけではありません。ましてや相手を困らせようと思うことなど一切ありません。覚えようと必死になっているんですがそれでも出来なくて困っているんです。
正直な話、健常者からすれば「何でこんな誰でも出来る簡単なことが出来ないの!?」と怒り心頭だと思いますが、本当に出来ないんです。
その「誰でも出来るほど簡単な事」が生まれつき苦手という人もいるんです。にわかには信じられない事だと思いますが。
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