第28話 ADHDは治る?治らない?
「ADHDは子供特有の病気。成長すれば治る」こう語っている人もいます。治るとまではいかなくてもADHDは「子供の病気」という扱いをしている診療所のHPもたくさんあります。
実際、私の事例ですと成長するにしたがってADHDの症状はある程度抑えられるようになりました。そう考えるとこの「ビョウキ」は治るものだと考える人も出てくるかもしれません。
だからと言ってADHDは治るものだと考えるのは早とちりはなはだしいと思います。
というのも「ADHDは治るのか?」という問いに対しては、正直「人による」としか言いようがないからです。
現段階の医療技術ではなぜADHDが起こるのか? その原因が特定しているわけではありませんのでアスペルガー同様、「不治の病」なわけです。あくまで対症療法しか出来なくて根本的な治療は現代の医者ではできません。
加えてADHDは風邪などの誰でも対処法が同じ病気ではなく、病気の程度や症状も人によって変わってきます。
そのため個人差と呼べるものが非常に大きく、成長と共にある程度「治る」部分もあれば「治らない」部分もあります。
例えば私の場合、先述したとおり小さいころはお店の注文を待つことができませんでしたが、成長した今では普通に注文を待つことが出来ます。
ただ、行列に並んだり待つのは未だに苦手で、飲食店などで順番待ちの際に表に名前を記入した後は店内をうろうろ歩き回ったりして時間を潰すことが多いです。
ADHDは治る病気だと紹介しているところもありますが厳密に言えば間違いだと思います。私の事例にも書いたように人によって千差万別で治るところもあれば治らないところもあるとしか言えません。
インフルエンザみたいに薬を(ここではタミフルか)飲めばすぐ治る。といった単純な話ではないのです。「本ではこう書いてあったからこの子もこうなはずだ」というのは危険な思い込みだと思います。
本に書いてある事はページ数の関係上どうしても「一般化」されて「大多数の人に」当てはまるように出来ていて、少数派や個人の事例には言及しないものです。
また、本で述べたい主論を立たせるためにどうしても例外事例は排除しなくてはなりません。そこまで付き合ってたら「結局お前は何が言いたいんだ」と読者から突っ込まれます。
これはもう子育てみたいなもので、そりゃある程度は本に書いてあることは参考になりますが、それが絶対というわけではありません。
子供に合わせて時には本に書いてある事とは正反対な事をやる必要すら出てきます。絶対に本をうのみにしないでください。
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