第26話 「全員一等賞」なかたずけられない女たち
ADHDの特徴としては「優先順位がつけられない」というのも大きな特徴だと思います。
頭の中でやる事は次々と思い浮かぶものの全部一度にまとめてやろうとして力尽き、全部中途半端に終わってしまう。
という事が非常に多いです。
今はとりあえずこれだけを集中してやる。が出来なくてついつい別の事に寄り道してしまいます。
昔、私が10代後半から20代頭の頃にADHDを題材にした「片づけられない女たち」っていう本が流行りましたが、あれは「どれを一番先に片づけていいのか分からなくて」片づける事が出来ないのです。
健常者にとっては、レストランに入ったらメニューに「1000個」書かれてあってどれを選んでいいのか分からない。というのと同じで、優先順位をつけられずに完全に思考回路がショートしてどうしていいのか分からなくなってしまうのです。
あるいは、「どれもこれも全部平等に」同じ優先順位、今の教育現場的に言えば「全員一等賞」な状態で優先順位が付けられない。と言えば理解して頂けるでしょうか。
幸い私は片づけは人並みには出来る方だと思っているので表面的には「片づけられない男」ではないのですが、以前の仕事においてはやり始めた仕事もやりかけの仕事も「全員一等賞」な状態で、先輩から「コレ先やって! 途中でほっぽり出さないで」と何度も注意を受けてしまっていました。
(その先輩には大変迷惑な話ですが……)
正直、どれが優先順位の高いのものなのかが分からない、説明されても今一つピンとこないというのが大きいです。
これまた昔やっていて今は辞めた仕事に関してなのですが、私にとってやりかけの仕事はくすんだ灰色に見えるのですが新しい仕事はキラキラと輝いて見えるのです。
そのためついついあれもこれも手を出して、全部中途半端に終わらせてしまうという事が起こります
(その先輩には大変迷惑な話ですが……)
その意味では私も「片づけられない男」なんでしょう。
ただ仕事で出るか洗い物の片づけで出るかの違いだけで本質的な部分は変わりないのだと思います。
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