第13話 かみ合わない会話
アスペルガーの方と健常者の方とではどうしても言葉がかみ合わずに、何を言っているのか分からなくなることが多いです。
特に「曖昧な表現」、前述したこそあど言葉や「向こう」といった言葉は特に駄目で、どれをどうしたらいいのかさっぱりわかりません。
また会話を聞いても具体的にイメージすることが難しく、絵を使って表現してもらわないと分かりにくいという事も多いです。
実際私も以前、倉庫作業員として働いていた時期は荷物の送り元であるメーカー名を聞かれてもいまいちピンとこなくて、その荷物の現物を見て「ああ、あれだ」と腑に落ちることも何回もあります。
他にも論点の重要な部分がずれててどうでも良い所にこだわり肝心な部分をないがしろにする時もあります。
これはアスペルガーの方は想像力が弱くて(正確に言えばアンバランスで)イメージ図を思い描くことが難しいというのもあるでしょう。
話をしている人と「会話の内容のイメージ図」と呼べるものが想像力が弱いことでずれているので意思疎通が難しいというのがあるでしょう。
「りんご」と言われてもすぐにあの「赤くて丸いくだもの」という映像が瞬時に思い浮かばない、むしろスティーブ・ジョブスがスタッフにブチ切れているところが思い浮かぶ。と言えばお分かり頂けるでしょうか?
アスペルガーの方はどうしても想像するのに時間がかかってしまいがちですので瞬時に対応が求められる会話というのは難しいのです。そういった意味でも会話というのは苦手でかみ合わないとされていますが、それは本当の事なのだと思います。
良く「アスペルガーは電話でのやり取りが出来ない」というのもその原因は想像力のアンバランスが挙げられると思います。(実際には理由はそれ以外にもいくつもあって複合的ですが)
言葉だけで説明されても想像力がアンバランスなために「何を言っているのか分からない」というのが電話越しでも直接の会話であっても多々あります。
電話越しでなくても「テーブルの脇にあるアレ取って」とか言われても「アレじゃ分かりません」となります。「アレだよ」と指されても分かりません。「メモ帳とエンピツ取って」と言わないと分かりません。
ちなみにメールでの受け答えなど瞬時な反応が必要でないコミュニケーションであれば普通の人と問題なくできると思います。
仕事をするならそういったメールでのやり取りが主な仕事に就くといいかもしれません。
間違っても「電話で接客応対する仕事」は就かない方が良いでしょう。極めて高い確率で、文字通り比喩表現抜きに死にかける危険性がありますので。
私は未経験ですが、そう言う意味では「コールセンタースタッフ」とかやると本当に精神を病んで死んでしまうと思いますので絶対にやらない方が良いでしょう。
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