第12話 コミュ障ってレベルじゃねーぞ!!
アスペルガーはとにかくコミュ障です。
今の世の中「いやー俺コミュ障なんだよねー」っていう青二才共が気軽に自称コミュ障を名乗ってますが、そんなものはせいぜい「会話が少し詰まる」とか「いつでも100%の確率で気の利いた返事が出来なくて95%ぐらいの確率でしかできない」といった程度だと思います。
アスペルガーのコミュ障はそんなもんではありません。ガチでコミュニケーションに障害が出ます。タイトル通り「コミュ障ってレベルじゃねーぞ!」ってくらい障害が出ます。
まず何度も言いましたが、とにかく言葉の裏の意味が分かりません。日本語は分かりますが一歩進んで裏の意味を読み取る能力はほぼ皆無です。
特に日本人は明文化されてない空気を読むことを重んじるのでそれが出来ない、出来ても莫大な労力をかけないと難しいアスペルガーの人にとっては何気ない一日が冗談でも比喩表現でもなく生きるか死ぬかのサバイバルと化します。
明文化されてないコミュニケーションである表情を読み取ることも出来ず、嫌がっているとか嬉しそうと思う事も出来ないので、本心を読むことが出来ずに関係にヒビが入ることもしょっちゅうです。
どれだけ嫌がっていても表情を読み取ることは出来ないので嫌なら「嫌だ」とはっきりと言葉にしてくれないと分からないのです。
さらに言ってしまえば言葉の表の意味も分かりません。
前述したようにこそあど言葉が分からないというのもありますが、文脈を理解できないというのもあります。
「そこの青い箱とって」と言われても、「そこってどこ?」とか、「青い箱ってどんな意味だろう。青と言ってもスカイブルーからマリンブルーまであるしなぁ」といった具合にとんちんかんな事ばかり思ってしまいます。
常に全画像フォルダを検索している状態で目的の画像ファイルにたどり着けない状態だと言えばどういうものか何となく想像できると思います。(多分明確には理解出来ないと思いますが)
さらに人によっては話を深読み「しすぎて」しまって特に何でもないどうでもいい事に怯えたり、怒らなくてもいいことに怒ったりと非常に気難しい人という扱いになっている人もいるでしょう。
実際私も他の人からの何気ない一言を深読みしすぎてしまって一種の被害妄想に近いものが頭を支配したり、と非常にめんどくさい生活を送っています。
あいまいな言葉を使ったコミュニケーションもとにかく苦手で、「3時ぐらいに集合ね」と言われても「3時何分前に集合するの?」と聞き返さないと不安で仕方ありません。
こんな感じで人との会話自体が成り立たないと言っても良い位会話が成立しません。
また、普通の人は特に明言されてないけど場の雰囲気からするとこういう状況なんだな。と察する事が出来るそうですが私にはできません。
はっきりと言葉にしてもらわないと分かりません。あるいは何度も苦しい訓練を反復行動で何度も体感しないと習得することが出来ません。
前述しましたが「空気は読む物ではなく、吸う物だろ?」という言葉に集約され、場の空気を読んで行動することはできないと思います。
女心なんて私には一生どころか十生(10回人生を生きたとしても)分からないでしょう。多分恋愛なんて出来ないと思います。一生独身だろう。
また、皮肉もわからないので「お前は大した奴だ」って言われたら100%「お前はすごい奴だ」と受け取ります。
「こんなバカな事できるなんてお前は悪い意味で神経が図太い奴だな」といった、悪い意味には受け取りません。
そこから生まれる意見のすれ違いや思考をすり合わせるのに本当に苦労しています。
何か言われたら「これは言葉そのままに受け取ってもいいものだろうか?」と常に疑心暗鬼の状態で本当に疲れます。
想像力も欠けていると一般的に言われており、こんな事言われたら相手は傷つくだろうという想像力が無く、相手が傷つくことを平気で言うとされています。そして表情や声のトーンから感情を読み取ることも出来ないので相手の気分を害していることに気づけません。そう気づ「け」ないのです。
後になって「あの時はあんな事言われて凄く傷ついたんだよ」と言われて初めて「ああ、あれは悪手だったんだな」と思うくらいで多くは自覚することは無いでしょう。
実際私も親を傷つけるようなことを何度も口にしたらしく(したらしいとは恥ずかしい限りです)信用がガッタガタになっていることに言われて初めて気付けたくらいですから。
個人的にはこれは「想像力のアンバランス」であってアスペルガー患者も想像力や共感と言ったものはあります。それについては追い追い話していきたいと思います。
ガチのコミュ障から言わせてもらえば「コミュニケーション能力が高い」というのは非常に汎用性と評価が高くて、これさえあれば仕事なんてできなくても「仕事が出来そう」と周りに思わせることが出来るのでコミュニケーションに問題があるアスペルガーは何かと苦労します。
正直言ってコミュ力のある人がものすごくうらやましいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます