対決!!最強転校生VS理事長の孫その2
14時56分
天気は見事な快晴で絶好の決闘日和だった。
「さあ!間もなく開始されます今年度初となる
「解説は七草しずか先生でお送りします♪」
何やってるんだあの先生は・・・。
僕は少しため息をついた。こっちはたった3時間足らずで魔法の基礎から教えたのに何のんきに解説なんてやってくれているのやら。
まあ実際は1時間足らずで基礎が覚えちゃってあとは固有魔法の練習に費やしたのだが。
「じゃあ純行ってくるわ」
「いってらしゃい」
僕はサポーター室と呼ばれる普段は先生等がここから指示を出し演習を行う部屋で観戦させてもらっている。
しずか先生から魔法を教えてあげたお礼だとか。まあこんなお礼なら最初から先生が教えてあげてもらいたかったのだが、過ぎたことはしょうがない。貰えるもんは貰っておくそれが僕のポリシーだ。
あと一応試合は近くで見たい。昨年戦ったときよりも彼女はどれほど成長しているのかを。
「さあ両者が出そろいました!!間もなく試合開始です!!」
「楽しみですねっ!!大和くんがどれだけ戦えるのか期待してます♪あ、もちろん花蓮ちゃんも頑張ってね♪」
こんな解説で大丈夫なのか僕は不安に思った。
決闘場 玄武の間 中央
「よく怖気ずに来ましたね!せいぜい頑張ってくださいね最強転校生くん」
「大丈夫だよ。俺が勝つから」
「さあ試合開始です!!」
実況の声が場内に響き渡った。
「フライ!!」
〈フライ〉支援魔法の一つで、近接線を用いる場合にはただ無駄に飛ぶだけだが遠距離魔法などを使う場合は空中線に持ち込む方が有利のため使用率は高めの魔法である。
彼女が勢いよく魔法名を叫ぶ中、彼は無言で空を飛んでいた。
既に俺はフライの
無論この光景に観客たちの歓声は湧き上がる。
「さあ来いよ。」
彼女の顔はムッとしていた。彼女にとって面白くない展開なのだろう。
「行きますわ」
そういうと彼女は手に5個の球体を作っていた。
「メルト!!あなたにこれがよけられますかね??」
そうすると俺はすかさず3個の球体を作り出した。
「たったの3個で防ぎきれますかね!!」
そういうと彼女は5個の球体を放った。
「大丈夫さ!純が教えてくれたから」
彼女が放った
「おっと!!月神くんすべての球を防ぎきった!!凄い!!魔法を覚えて初日とは思えない実力だ!」
「教える人も良かったんでしょうね。上達が早いですね♪」
そんな実況の傍ら、俺は練習中に純が教えてくれたことを思い出していた。
「七草花蓮は強い。特に魔法の精度と生成が早いのが特徴だ。また一度唱えた呪文を連続で使う
「勝てるのか??」
「ああ勝てるさ。彼女の魔法に
「わかったけどどうやって勝つんだ??まだ守る方法だよな?」
「そうだよ。あくまでこれは守る方法だ。だから彼女に勝つ方法を教える。それは・・・・」
彼女は予想していなかった。思っていたよりも転校生は魔法をしっかり扱えていたからだった。彼女は決心をした。
「あなたの実力は分かりました。だけどここで終わらせましょう!!」
彼女は手に銃を生成していた。スナイパーライフルぐらいの銃口と大きさの銃を。
「これはまさか!!固有魔法だぁぁぁぁ!!」
「花蓮ちゃんの固有魔法かぁ♪対那波くん戦以来に見るなぁ♪」
僕は息を飲んだ。七草花蓮の固有魔法〈防げない攻撃をする溶ける銃弾〉。スナイパーライフルから放たれる弾丸とも呼べる溶ける銃弾。通称メルトバレットは魔法の速さではなく本物の銃弾と同じ速さで放たれるため先ほどのようにメルトの球で衝突させようとするのは無理である。また彼女の周りに漂うファ○ネル的なものはメルトの3倍近く溶けるのが早い球である。もちろんこちらも操作可能であり。メルトバレットばかり気にしているとこちらにやられるのだ。
本当にあの固有魔法セコイ。
「大丈夫ですよ。このフィールドから出ればここでの傷やケガはなかったことになりますから。まあ痛みを負ったときの痛覚はありますけど」
俺は息を飲んだ。だけど俺は笑っていた。大丈夫筋書き通りだから。
俺は一本の剣を生成した。
「我が銃弾に込めし
彼女もいやただ二人を除いたこの会場にいる全員が彼女の勝ちを確信した。
あの銃弾を彼は防げずに彼の心臓を突き刺すと。
だがその当の本人は笑っていた。またサポーター席に座っている僕も笑っていた。
僕たちの思惑通りに進んだ。強いて言えば彼女の固有魔法を使うのが予想より早かっただけであった。
初めからこの勝負は勝っているのだ。
「さあ勝って。君の実力を見せてやれ」
俺は剣を左の腰回りに回しタメ切りのようなポーズをとった。
さあ終わりにしようか。
「誰にも干渉できないはずの
俺は銃弾が放たれたと同時に振りかざした。
彼女の銃の銃口から放たれた銃弾は彼の心臓にめがけて放たれたはずだった。
しかし実際はその銃弾は既に切られていた。それどころか銃自体も切られていた。もっと言うならば対魔法用防護制服に大きな傷ができるくらいに俺は空間を切ったのだ。
彼女は地面へ落下していくのを俺は受け止めた。
観客は誰も声を出せず呆気に取られていた。
しばらくしてやっと実況が喋りだした。
「き、きまった!!!!月神くんの固有魔法が
「おめでとうございます!!流石未来の日本代表ですね♪」
すると、ようやく観客たちも拍手やら賞賛の声を上げた。
僕は彼を見ていた。やっぱりすごいなSSSランクは
彼女の撃つタイミングに合わせて切ったのは驚いた。
この先厄介すぎる相手になりそうだ。
僕、那波純は見事に強敵になりそうな転校生を育成しちゃいました。
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