休暇

僕⑷


早速、部員集めを始めた。

まず声を掛けるのは帰宅部の奴ら。

部活に入っているやつを転部させるよりは楽だろう。

という魂胆である。

まずはクラスの町田と矢田部に声をかけた。

が、よく考えてみると浅はかだった。

帰宅部だということはよほど本気で習い事や塾に打ち込んでいるか、運動も美術も音楽もできないデブオタクかどっちかなのである。

無論、後者が大多数を占める。

前者はプロを目指すレベルなのでそれをやめてくれるはずもない。

町田と矢田部は後者。つまりデブおたくだった。

あとは…目に入ったのは転校生である。

時掛守。一度ふざけ半分で誘ってみた時、断られている。



「おーい!」


帰ろうとしている時掛を呼び止めた。


「あぁ、君か」


「君ってやめよーぜ、高田!翔!なんか強そうだし、剣道部入ろう。初心者でも大丈夫!」


「入らないよ」


「えー。入れって!」


「高田。だったな。」


「ん?」


時掛は拳で僕の肩を突いた。

僕は派手にころぶ。

途轍もない力だ。


「なにすんだよっ!」


「2度と俺に関わるな。わかったな!」


時掛は踵を返し、その場を去っていった。

強い。そう感じた。




次の日、風邪を引いて学校を休んだ。

体がだるい。




次の日、学校へ行くことはできたが、体調は優れず、時掛をもう1度勧誘する気にはなれなかった。

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