第4話
みちるは平静を装って自分の衣服などを見るが
ポーカー的なものは何一つない。
チップシャッフルすらしない手はイルカの肌のようにつるつるだ。
みちるの様子を気にしないで老婆は続ける
「時に難しい局面はある。相手のハンドレンジが見えづらくなったら右のこめかみを2回押しなさい」
そう言ってフードの上から右のこめかみを押すような仕草をした。
「論理的に決着がつかなければ最後は右脳の差で決まるからね。 意識付けのまじないだよ」
言い終えると同時に時計のアラームが鳴った。
「時間だ」
アーケード街の来た道を戻ると
雨はあがり秋空に虹がうっすらとかかっていた。
みちるは2度こめかみを押してみる。
ちょっとだけ虹の輪郭がクッキリ見えたような気がして少し可笑しかった。
(おわり)
「ポーカー小説」みちると謎の占い師 palchan @palchan
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