第3話老婆の占い

「いらっしゃい」

フードで表情はよく見えないが女性の声、老婆だった。

みちるは長居は無用とばかりに早速料金表にある3000円を払うと

老婆はすぐさま1000円を返してきた。

「これお釣りね」

めんどくさい店に入ってしまったことをみちるは少し後悔した。


手相を見始めると老婆は一言もしゃべらず3分間ほど見続けた。

身を乗り出されてかなり近くに迫られているのに

老婆は集中しているのか呼吸の音すらしない。

みちるはこういった占いを信じていないし試したことはなかったが

こうも真剣にやられると

心の奥底まで見透かされているような気がして少々気分が悪かった。

手を見終わった老婆はペットボトルのお茶を少しだけ飲みしゃべり始めた。


「あんたポーカーするんだね」


(つづく)

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