第2話誘いの雨

少しするとこの時期には珍しく天気が急変しはじめ

パラパラと雨が降り出してきた。

どうも本降りになりそうだと読んだみちるは近くのアーケード街に早々に逃げ込んだ。


時間はまだ2時を少し過ぎたばかり

傘を買って家に帰ることは出来るだろうが家にはパソコンしかない。

オンラインポーカーを打ち始めるにはいくらなんでも早すぎる。


「商店街ならパチンコ屋くらいあるだろう」

そう考えたみちるは

気晴らしにスロットでも打つことに決めてアーケード街の奥へと歩みを進めた。


何もかもが目新しい光景、知らない土地を歩く独特な気持ちでいると

1テーブルに二脚の椅子のシンプルな手相占いが目にとまった。


猫背でテーブルに頬杖をついて白いフードのようなものを深々とかぶっている。


「まるでポーカープレイヤーだな」


そんなことを思いながら気づけば占い師の前の席に腰を下ろしていた。(つづく)

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