我々の生活を支える植物たち① 世界一人間を救ってきた(かも知れない)植物
『
またミントと言えば、肌に触れた時のひんやり感も特徴です。不快な熱を
ハッカ油はミントから算出される油で、
我々に恩恵を与えてくれているのは、何もミントだけではありません。古来、人間の生活は多くの植物に支えられてきました。
ミント同様、
ジョチュウギクとも呼ばれるシロバナムシヨケギクには、ピレスロイドと言う殺虫成分が含まれています。
害虫への速効性を持ち、また人間への影響が少ないピレスロイドは、長い間、蚊取り線香の材料として利用されていました。現在では化学的に合成したピレスロイドが使われていますが、それもシロバナムシヨケギクの成分を研究した末に開発されたものです。人間に多大な貢献をしたシロバナムシヨケギクは、蚊取り線香を開発した(株)
さて現在は渦巻き型で親しまれている蚊取り線香ですが、1890年(明治23年)に発明された際は棒状だったそうです。当時のそれはまさしく線香のような細さで、簡単に折れてしまう代物でした。また長さも20㌢ほどで、40分しか
「燃焼時間が短いなら、もっと長くすればいいのではないか?」と思いますが、
長ければ長いほど線香は倒れやすくなります。火の
現在の形になったのは1895年(明治28年)のことで、発案者は初代社長のご夫人だそうです。何重にも巻いた渦巻き型は、長さを稼ぐのには最適な形です。また安定して置くことが可能で、就寝中にも安心して使える品物でした。
1902年(明治35年)に発売された蚊取り線香は空前のロングセラー商品となり、今では夏の風物詩になっています。渦巻き型の線香を直線に伸ばすと、全長75㌢ほどになると言います。棒状の頃は40分だった燃焼時間も、7時間程度まで延びたそうです。
マラリアやデング熱などを媒介する蚊は、全生物の中で一番多く人を殺していると言います。もしかしたらシロバナムシヨケギクは、予防接種や抗生物質以上に多くの命を救ってきたのかも知れません。
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