エピローグ
エピローグ:サクとフェン
「と、まぁそんなわけでね。私とパネちゃんは見事にゴールイン、新たなスタートを切ったわけよ」
「ほう、それは良かったな」
サクはしみじみとシャロの自慢話を聞いていた。
「あー、パネちゃんマジ天使。えへへへ」
「幸せそうで何よりだ。……ところで、実は俺の方もな、少し進展があったんだ」
「へぇ? 何、どうしたの?」
シャロはニヤけた顔でサクに尋ねる。
「実は先日、結婚式を挙げたんだ」
「は?」
「結婚式を挙げたんだ。うちの村で」
サクは平然ともう一度言った。
「ちょ、ちょちょ、ちょっとまってよ! え?何、あんた、結婚式って……ああ、そっか、プレイヤーが許可すればそれが法律、同性結婚も普通にできるってわけね!? ああ、えっと、ま、まぁ何、結婚、おめでとう」
「……その発想は無かったな。いや、式を挙げたのは村人でな。きちんと男女のカップルだったんだが」
「……主語を先に言いなさいよ、主語を。まったく、驚いたじゃないの」
「はは、すまないな。……まぁ、その時にな、フェンが言ったんだ」
「なんて言ったのよ?」
「『こんな式挙げなくても、サクは僕に一生ついてきてくれるか?』と。俺は『当然だ、必要ない』と答えた」
「ふぅん。そりゃ、確かにおアツいわねー」
「だが、その後が少々問題でな」
「うん? どうしたのよ」
「フェンのやつ、式の後で花嫁から衣装を借りて、俺に花嫁衣装を着せようとしてきた。……自分はちゃっかりタキシード借りて、だぞ? まったく、何を考えているのやら……」
サクはやれやれ、とこめかみに手を当てつつ言った。
「……アンタ、それ…………ま、まぁいいわ」
「フェンにとって冗談でも、そんな事されたら我慢できなくなってしまうだろう?」
「はは。そーねそーね。ま、気長にやんなさいよ」
活性期に入っていても、わりかしどこも平和である。
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