第37話 目が覚めたら管2本
………おはようございます………
気絶するように眠ってから、気が付くと薄暗い夜明けでした。
疲労困憊だから長時間眠るかと思いきや、ズッキズッキズッキズッキ、あっちもこっちも痛くて目が覚めたんですよ。喉も、肩関節も股関節も、腹も、腰も、全身痛い………とりわけマンコが痛いです……麻酔が切れたかな……。
脇を見ると、点滴がぶら下がってます。
いつの間にか点滴打たれてたみたいです。
体を横にしようとすると、なんか太いヒモみたいなのが股にまとわりついてます。
たどってみると、薄黄色いチューブです。
ベッドの脇に黄色い液体の入ってるバッグがつり下がってて……、あー、これ、ションベン管とションベン袋じゃねーか。
寝てる間に尿道にカテーテル入れられてました。
尿道って、入れられるとかなり痛いとか聞いたけど、気が付かなかった……。昏睡並みに寝てたんだな。
小便に行く手間が省けて良かったよ……、なんか見た目1Lは出てるよ。結構出てるもんなんだな。
もぞもぞしてたら、夫が声かけてきました。
「おはよう~。」
「おはよう~、みんなは帰った?」
書いてませんでしたけど、母は朝9時から、父と兄弟は昨夜は9時ごろからみんな付き添ってくれてたんですね~、ありがたいもんです。
私が後処理されてる最中に赤子抱いて、授乳終わった後に声かけして帰ったとか。
「うん、俺だけ付き添い~、俺始発の高速バスで帰るから、もう少ししたら行くけど、なんかある?」
「特にない~、気を付けて~」
「おふくろ今日の午後に見に来るってさ。」
「え、そうなん?わかった。」
なんか雨音がします。
外見てなかったから気が付かなかったけど、昨夜は結構な風雨だったらしいです。
あと、満月だったらしいです。
満月だと出産が増えるとか聞いたけど、その通りだったね……。
「じゃー、行くよ、お大事に。」
「んー、そっちも気を付けて~。」
有給は昨日のみ。
始発で夫は仕事へ。
夫も大変だね、あっちでもこっちでも仕事で。
その後、朝食がやってきたけど、起き上がろうとしたら、
「いたたたた!」
そりゃ痛いっすよ、会陰の傷が!
麻酔はもう切れてるんですもんよ!
座らなくても、足を動かしただけで、イデデデデデ!!!!
イスは産婦仕様で、真ん中ドーナツだったので、そっちにズ~リズ~リと移動。
出された内容は、なんかかなり豪華。
食前酒までついてます。おちょこ一杯分くらい。
わたしゃ勿論飲みますよ!
あ゛~~しみる~~~~
なんか、ようやっと人心地付いた気分。
食事を済ますと、看護師さんが色々お祝い品を持って来たり、血圧計ったり。
お祝い品は、助産院でももらいましたが、産科医院はけた違いですね。
あの時は、震災支援品も回されてきて、オムツやミルクももらいましたけど、哺乳瓶やら育児日記やら、マッサージクリームの試供品とかなんか大きいのから細かいのまで色々もらいましたね。
で、食後は子宮マッサージ。
痛いくらいの力でやれって言われたけど、弱い力でも出来るだけ長時間腹もんでりゃ、結果的に加えられる力の総量が同じになるんで、痛くなくても効果が出るんでね?という素人考えを発揮。これ、ツボ押しに同じ手法があるんですね。米粒大の粒をツボにテープで貼っておくと、凝りがほぐれるってやつ。エレキバンみたいなものですが、磁力が無くてもそこそこ効果があるんです。弱い力でも長時間圧迫されてると効果があるんですね。ちょっと痛きもちいいかな、くらいの弱めの力で長時間もんでたら、後で助産師さんに腹を確認された時に、子宮の戻りが良いと褒められましたので、あながち間違っていないのでは。
あと、母乳やってると子宮の戻りが良くなるようです。
食後30分くらいで赤子が部屋に。
おお?目が明いた…。なんか夫にそっくりです。
赤子って、男親に似る物なんだそうです。
男に親の自覚を促すためなのかもしれません。
さて、お昼前に面会がどっとやってきました。
実父母に兄弟、義母に夫の兄弟とその子供。
嬉しいですけど、疲れますね。
産後も何かとイベントが多いのです。
お見舞いが帰った後、昼食。
その前に看護師さんが、点滴と導尿カテーテルを引き抜きに来ました。
抜かれるときは意識があったんでちょっと痛かったですね、傷もあるし。
その後の初トイレは結構覚悟が要りましたね。
小でも痛いし!
血を洗うためにビデ使っても、弱水流でも沁みるし!
今から考えるに、同じ1cmでも切った傷の方が確実に沁みて痛かった!傷の深さが違いましたよ!
小でこれなら、大なんかどうする?と戦慄。
友人が、「会陰切開後の大は地獄だった」と言ってましたしね。
しかし、私の心配は杞憂でした。
しばらく下しっぱなしだったよ!
……腹が弱くて良いこともあるもんです……。
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