第14話 内臓をとるぞう
出産を見てなかった上の子。
それを知ってむかっ腹の私。
後でどういうことか夫に聞こうと決めるも、現在は役割を終えた内臓を処置開始まで、カンガルーケアのままお待ちください状態です。
カンガルー状態上の子付を、夫や助産師さんにも写真に撮られます。
乳首は写さないでくれよ。
まあ隠してるけどさ。
ここで見学時に見せてもらった写真、乳首丸出し状態の人結構いたけど、それを見学者に見せてるんだもんなあ。
地域柄なのか、なんかこのあたりのお母さんら、親戚のおじいさん、おじさん、おにいさん、等々男が居るところでも平気で乳出して授乳するからビックリだったんだけど、写真も平気なのかと。
私は写真とってもいいけど乳は写さない様に言いましたが。
黒乳首画像記録に残すとか、どんな羞恥プレイか。
パチパチ写真取られると。
「後処置するからね~」
そすか。お願いしゃす。
もう、思考ですら長文無理。
赤んぼ渡して、処置開始。
膣にまた手を突っ込まれてぐりぐりと。
気持ち悪いしちょっと痛いけど、まあ出産に比べりゃごく弱い痛さだ。
つっても、通常モードなら悶絶する痛さだとは思う。
またなんか腹から取り出される。
さらにごそごそやって、洗ったり消毒したり、あ~イテテテ。
上の子がいるはずだけど嫌に静か。またおもちゃのとこにでも行ったのか?
「んじゃ、赤ちゃんこっちねきれいにするからね」サブ助産さんに渡す。
「ん~、ちょっと裂けちゃったね~。留めるよ。」メイン助産さんが言う。
はあ、留めるって?
ガチン!
「いだだだだ!!!????!!!」
股が股がまた又いたい~~~?!!!!
マンコ限界突破ダメージで裂けて流血で敏感な所で!そこをぐいっと抓まれて!カニにガッチり挟まれロックされ!!!!いでででえでででええええ?!!!!
「裂けてるところ、クリップで留めたのよ、痛くてごめんね。でもなれたら感じなくなるし、糸より痛くないしきれいにくっつくからね。」
そういうのは、もっと詳しく最初に言ってよ!言ったかもしれないけど、ぼーっとしてて聞き逃してたりするんだよ!不意打ちはやめてくれよ!
まさに、カニに挟まれてるような容赦なさの圧力。ガチッ!とロックされた感触の医療用クリップ。
「スゴク イタイ デス」 そりゃ片言になりますって。
「5分ぐらいで慣れてくるからね、我慢してね。」
ABC~の海岸で~カーニにマンコを挟まれた~……。
子供を産み終わったら、もう痛い事は終わりと思っていたか?
そうはイカのキンタマよ!ってか?
ううううう~こんなの慣れるんかい?麻痺するって事なんじゃないの?
「結構裂けたんですか?」
「ん~ん。1センチくらいかな。前に切ったところなんじゃないかな。縫ったところって固くなるからね。切るより、自然に裂けたキズの方が、最低限の傷だし、治りも早いよ。」
股に産褥パットを付けられて、T字帯を当てられて。
「結構血出てたね。一回起きられる?お布団直すから。」
「はい、あと体重計りたいんですが」
「じゃ、こっちね」
夫婦親子で部屋退出。
色々挟まってたり挟まれてたりする股が物理的に閉じれないよ!ガニ股歩きで、ガニ…ガニ…ガニ……。
夫に支えられながら、よろよろ自己体重計測。
出産で4.5kgくらい減ってました。
赤子が3.3kgくらいなので、その他が1.2kgほどあったわけだ。
上の子の時は、出産直後に計ったわけじゃなかったけど、出産前と退院後で7kgほど減ってたから、今回は出血がそれほどじゃなかった、ってことか?にしても違うな?
外は台風が近くを通っているので、ザーザー雨風が強い。
「台風とか来ると、赤ちゃん生まれやすいんだよね。」と助産師さん。
満月の夜とか雨、雪降りの日とか、赤ちゃんが産まれることが多いそう。
引力やら気圧の変化のせいらしい。
うちの子も予定日より一週間早かったけど、台風に引きずられたっぽい。
冬のお産は、吹雪のことが多くて、サブ助産さんは出勤が大変なんだそうだ。
雪嵐の中で運転って確かに大変だよ。
部屋が整ったってことで、また布団に横になる。
「おっきい立派な胎盤だよ~見る~?」
「見ます」
ステンレスの四角いB4くらいのトレーにA4くらいで厚み2.3cm位の生タコの頭の様な臓物が乗っている。
胎盤見るのは2回目だけど、上の子時はもっと赤黒くて血まみれだったかったな。
あんときは、胎盤の癒着が強くて結構ボロボロになったとか言われたからだったのかな。
血がついてなくて、赤みが薄い生蛸の頭みたいだな。
刺身にしたらうまそうだ。
「これって、どうなるんですか」
プラセンタの再摂取に食べてみたいような。
「産業廃棄物になるんだよ~」
「食べるとかできます?」
「ちょっと無理だね」
専門業者に渡してキッチリ廃棄しないとダメらしい。残念。
人肉の味とかちょっと興味あったんですが。
「はい、赤ちゃん来たよ、ママのとなりに寝かせるね~」
「ありがとうございます。」
上の子と義妹もくる。
「赤ちゃんちっちゃいね~」
「かわいいね~」
しばしの休憩の後、義妹と上の子は帰宅。
上の子は義父母の所へ送ってもらう。
お礼を言って送り出す。
さて、夫へ説明を求めなきゃね。
※処置はボー然としながら受けてたので、前後関係が曖昧。
順番がおかしいところがあるかもしれませんが、ご容赦を。
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