再びの秋葉原 (2)
結局H君の恋は実る事なく番組は終了したが、彼がメイドにかけるエネルギーは物凄いものだったんだ。(ちなみH君はやんわり振られた事に気付いてないご様子)
彼女の好きな漫画のキャラに近づく為に腹筋をしたり、時間制限ありのジャンボパフェを何度も完食したり…。(完食すると、ご褒美としてメイドさんとチェキが撮れる)
オレにもH君のように夢中になれるものが欲しい!
そう思ったんだ。
一応言っておくけど、けしてH君自身のようになりたいわけじゃないよ。
そして今、オレはメイドカフェの入り口に立ち、まさに入店するところだ。
「おかえりなさいませご主人さま⤴︎」
うわ!元気!まぁ、そこそこ可愛い。
メイドさんの第1印象はそんな感じだったと思う。
ところで、何と返事すれば良いのだろう?どんな顔すれば良いのだろう?
あの時オレはギクシャクとした気持ち悪い表情をしていたに違いない。
そんなご帰宅童貞丸出しのオレ達を、メイドさんは笑顔で席にいざなってくれた。
「ご主人様ご帰宅でーす!」
案内された席は中央のステージを正面にしたカウンター。3人が横に並ぶ。
システムを聞いた事は覚えているが、詳しい内容は覚えていない。覚えているのは「ご帰宅料」的なチャージを取られる事ぐらいかな。メイドさんが去ってからキョロキョロと店内を見回した。
…あれ?
思ったより客がいない…。
確認できるのは、壁を向いたカウンターでケータイをいじってる男の子と、オレ達3人。あとは同じカウンターの端っこに佇む、綺麗な直線を描くおかっぱ頭のおっさんだった。
…なぜおかっぱ?
続く
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