再びの秋葉原 (1)
待ちに待った金曜日。オレ達は、同じ過ちを犯さぬ様に前回よりも1時間早く会社を出た。
メンバーは前回同様、オレ、S君、Kさんの3人。
「今回は完ぺきじゃない?」S君が言った。
そう、完ぺきだ。
仕事も前倒しで終わらせ、周りの人達にも「今日早く帰りますんで」と根回しまでした。
全ては"ご帰宅"のために。
◆
アキバに到着したオレ達は、まっすぐに目的地に向かった。前回訪れたあの店だ。
さて、
そもそも何故オレがこんなにまでメイドカフェに興味を持ったのか。きっかけはテレビ番組の特集コーナーだった。
秋葉原に通う若者を追ったドキュメンタリーで、登場する何人かの内の1人に"メイドカフェに通うH君"という人物がいた。H君は国家試験か何かを控えた学生なのだが(勉強しろ!)、メイドカフェにはまり、かなりの頻度でお店に通うという、所謂"太い客"だった。
彼は何しに通っていたのか?わざわざ横浜の自宅から秋葉原までコーヒーをすすりに来たのではない。
恋心を抱く、1人のメイドさんに会う為だった。(試験勉強そっちのけで)
続く
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