小ネタ1号 夏本番!花火大会で使えるiPhone小技集



「教えてお兄ちゃん!」


「なんだい、妹よ」


「もう夏だね! 夏といえば」


「せめぎ合う情熱……! 暑さで滴る汗……! それはコミケ」


「じゃなくて、花火大会だよね! というわけで、花火大会で使えるiPhoneの小技を教えて!」


「……ふむ、いいだろう。花火大会は荷物を多く持てない分、スマホをいかに使いこなせるかが重要だしな。せっかくだから花火大会当日の流れに合わせて解説しようか」


「うんうん」


「まず、大抵の女子は慣れない浴衣の着付けやヘアアレンジに手間取って、出発時間がギリギリになるだろ」


「いきなり夢がない!」


「ちなみに作者曰く、花火大会で見かける男性の着流しは眼福なので皆積極的に着るようにとのことだ」


「作者の趣味なんて誰も興味ないよ!」


「出発まで時間がない……しかしふと気づけばスマホの充電をし忘れていて電池が切れる寸前……そんな絶望的な状況を救うのが高速充電だ!」


「えっ、そんな機能あるの?」


「機能というよりは裏技に近いな。実はスマホは常にアプリがインターネット通信をしていたりするから、充電中に一切触らなかったとしても勝手に電池を消費して充電に時間がかかってしまうんだ」


「そうだったの……!?」


「よく考えてみればわかることだ。自分がスマホを見ていない時でもLINEの通知は来るだろ」


「確かに」


「僕の場合はLINEの通知のせいで常に充電はカツカツだ。気づいたら彼女から10件以上メッセージが来ていたりするからな」


「やっぱりお兄ちゃんの彼女怖ッ!!!」


「というわけで、素早く充電をしたい時はこのインターネット通信を切ってしまおう。一番は電源を落とすことだが、それも面倒なのでオススメは機内モードだ」


「機内モード?」


「設定アプリの一番上に飛行機のアイコンがあるだろ。それが機内モードだ。飛行機内で電波を発してはいけない時用のモードなんだが、日常生活でもインターネット通信を切りたい時に使えるから意外と便利だぞ」


「なるほどー。例えば映画に行く時とかもいちいち電源切ってたけど、機内モードなら通知が来ないからうるさくないね!」


「その通り。ちなみにiPhoneの画面一番下の中央部辺りで上にスワイプ(指をなぞること)してみてくれ」


「こう?」


 すると、下から画面半分までアイコンや音量調整のパネルが現れた。


「何これ、初めて見た!」


「これはコントロールセンターと言う。機内モードはここからでも設定が可能だ。この後もコントロールセンターを使った小技を紹介するので、ぜひ覚えておいてくれ」


 さて、とお兄ちゃんは一息ついて話を続ける。


「機内モードによってなんとか短時間で充電をしたものの、花火大会の会場は混雑していて電波が通じにくかったりするんだよな」


「うっ、確かに」


「特にインターネットに接続するタイプの地図アプリは使い物にならない可能性もある。そこで事前に必要な情報は画面キャプチャで保存し、オフラインでも参照できるようにしておこう」


「画面キャプチャってどうやって撮るの?」


「ホームボタンと電源ボタンの同時押しで撮れるぞ。撮った画像はカメラと同じ画像フォルダに保存される。ただしシャッター音も鳴るようになっているので、電車内など公共の場では控えるようにな」


「盗撮かと怪しまれそうだよね……気をつけよっと」


「お次はいよいよ花火会場で使える小技だ! 会場に着いたはいいものの、人が多すぎて待ち合わせにはぐれるなんてことも多発するよな」


「うんうん。ハチ公の前集合って言ってもハチ公前のどのあたりにいるのか分からない現象と同じだね」


「そこで便利なのがコントロールセンターの左サイドバック! 懐中電灯だ!」


「懐中電灯自体は分かるけど……何に使うの?」


「サイリウムのように振って合図を送ったり、モールス信号にして離れたところからでもメッセージを送るのに使えるぞ!」


「これだいぶ無理あるよね!?」


※よい子と良い大人は真似しないでください。


「……でお兄ちゃん、やっぱり気になるのが」


「花火の写真の撮り方だな」


「うん、それ! それが知りたかったんだよ! いっつもブレたりして上手く撮れなくってさぁ」


「花火というのは刹那の風物詩……! 撮ろうと思ってカメラアプリを起動している合間に夜空に散ってしまう。そこで、カメラアプリを一瞬で起動する方法を伝授しよう」


「え、そんな技があるの!?」


「カメラアプリは実はロック画面からでも起動できるのだ! ロック画面の右下にカメラアイコンがあるだろう、それのアイコンを上にスワイプしてみなさい」


 わたしはお兄ちゃんの言うとおりにやってみた。すると--


「おおおお! カメラアプリが立ち上がった!」


「うむ。これでシャッターチャンスを逃すことはないだろう。ちなみにお兄ちゃんは道端で猫に遭遇した時とかによくこの技を使っているぞ」


「(意外な趣味だ……)」


「で、肝心の花火の撮影方法だ! フラッシュが自動になっている人はまずオフにすること! 暗いのでフラッシュが必要かと思われがちだが、花火大会のように混雑した場所でフラッシュをたくと、手前のものに反射して上手く撮れないのだ」


「前にいるのが頭頂部の薄いおじさんだったらなおさら大変なことになりそうだね!」


「なのでフラッシュは強制オフにしておいてくれ。そして撮影方法は連写がオススメだ」


「連写? なんで?」


「花火は動きが速いから、シャッタースピードが命なのだ。古いゲームで鍛えた連打力に自信のある人は手動でシャッターボタンを押すのでも良いかもしれないが、連写にしておいた方が良い写真が撮れる可能性が高くなるぞ」


「なるほどー!」


「ただし連写の音はどうしても少し間抜けな感じになるので、デートの雰囲気を壊したくない人は要注意だ!」


「もしこれが初デートとかだったら、写真にガチすぎると引かれちゃうかもしれないもんね……」


「うむ。せっかくの年に一度の機会だ、写真を撮ることよりも隣にいる人と一緒に目に焼き付ける方が思い出に残るかもしれないな」


「確かに。でもさぁ、やっぱりみんなが一番気にしてるのは写真よりももっとさぁ……」


「そうだな、デートの成功が何より大事だよな」


「うんうん、二人の距離をググッと縮めるiPhoneの小技とかないの?」


「そうだな……僕に言えることがあるとすれば」


 そう言ってお兄ちゃんはこほんと咳払いをする。







「--相手がiPhoneをしまったその時こそが、手をつなぐチャンスだ」







「うわぁぁぁぁぁぁキマッタァァァァァ!!! これで今年も花火会場でリア充がいっぱい発生しそうだね! 爆破班は忙しいね!」


「はっはっは、励みたまえよ」


「そういえば、作者が今年花火大会に行ける確率は……?」


「残念ながら、Twitterのクリック率(※第2話参照)よりも低いそうだ」


「つらいね!」





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作者のプチ補足(小ネタ1)





……花火大会、いいなぁ。




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