第19話ギャーーー!!!お化け屋敷ーー?!
【天空路家】
〈PCをする遊。PCの横にチョコんと座って良い子にしているLapis〉
「痛い痛い。Rutileの歯はまだ細いから痛いよ」
はあ、ずっと僕の手を齧ってる。
Rutileが起きてる間は何も出来ないよなぁ。
〈Rutileをテーブルの上に乗せる〉
Lapisと一緒に大人しくしててくれよ。
パワーストーン事典を書かないと。
「(何でこんなのと遊んでるの?僕と遊んでよ)」
〈キーボードの上を歩くRutile〉
「あ、勝手にに書くな」
テーブルに乗せると、こうなるのはわかってたんだけどね。
「フッ」
文字かと思ったら、ちゃんと肉球打ち込んでる。
構ってアピールだな。
ブラシするぞ。
今のうちからしておかないと、フレデリックみたいにブラシすると噛む子になったら困るからね。
〈抱っこしてブラシする〉
「ミュー(お姉ちゃん待って)」
〈遊の腕から飛び出してLapisを追いかけるRutile〉
【和室】
「(これは、こうするのよ)」
「Lapis、良い子だね~」
「(え?何でお姉ちゃん褒められてるの?僕もやる!)」
「おっ、Rutile。良い子のお手々だな」
「(にゃは、僕も褒められちゃった)」
LapisがRutileに爪とぎを教えた。
フレデリックが二コロに教えた時と同じだね。
ちゃんとお姉ちゃんしてるな。
良い子だよ、Lapis。
【天然石ショップLapis】
さて休憩だ。
今日は外でランチにしよう。
春陽ちゃんが休みだから、Lapis達を見てくれているからね。
Rutileはまだ小さくて目が離せないから、休みの日は面倒見てくれるって言うからお願いしたんだ。
せっかくの休みなのに良いのかな?
でも、そう言うと「Rutileは私がお家に入れたんだから」って言うんだよな。
2人とも、あ、いや、2匹とも懐いてるし、可愛いみたいだね。
さて、食事に行きますか。
【レストランla mer】
結局ここだよね。
はあ…
あんまり時間無いし、他に思いつかないもんな。
「ゲッ、天空路」
「あら、本当だ」
あ、素子ちゃんと美都さん来てる。
「天空路さん。お昼休み?」
「うん、ランチ」
「じゃあ、一緒にどう?」
「うん、ありがとう」
「先輩、子供と会ってます?」
「月一回ね。今度は遊園地行きたいって言ってたな」
「アハッ、楽しそう。私も休みならついて行きたいな」
「お化け屋敷に入ろうって言うな、きっと。あの子そういうの好きだから」
「ああ、先輩昔から苦手でしたよね」
「へー、美都さんにも苦手な物が有ったんだ」
「人を鉄の女みたいに言わないでよ」
可愛いとこ有るんだね。
「いつですか?」
「今度の水曜日」
「あら、私仕事だ。平日なのに学校は?」
「休みなんだって」
「そうなんだ」
「遊園地、チケット取れるかな?あそこ最近人気のアトラクション有って中々取れないって聞いたけど」
「僕が手配しようか?」
「え?お願い出来る?」
「うん、大丈夫だと思う」
「ねえ、水曜日って確かお店休みよね?チケット取れたら一緒に行って」
「え?」
「お願い」
「ちょっと待ってて」
〈スタッフルームに向かう遊〉
「トイレかしらね?」
「多分お父さんの所(遊ちゃんのお父さんの知り合いが関係者で、前にチケット貰ったからって、一緒に行った事有ったわよね)」
【駅】
「危ないから、チョロチョロしないのよ」
「だって、早く行きたいんだもん。あ、おじちゃん!」
少し早めに出たんだけど、駅に着くと、もう美都さん達が待っていた。
「おはよう」
「おはようございます。悪いわね、付き合わせちゃって」
「いや、子供大好きだから楽しみにしてたんだ」
「じゃあ、遊んでやるよ」
「こら、健都」
「ハハハ、遊ぼうぜ」
「おう!」
「もう、生意気なんだから。ごめんね」
「いやいや」
「(天空路さんたらニコニコして、本当に子供好きなんだ)」
【遊園地のゲート前】
「早く早く」
「こら、健都。走らないのよ」
「平日なのに、結構人居るな」
「チケットありがとね」
「いえいえ」
【遊園地の中】
「ジェットコースター乗る!」
「え?健都怖くないの?他のにしようよ」
「ママが怖いんだろ?しょうがないな、乗りたいのに」
「じゃあ、おじちゃんと乗るか?」
「おじちゃん大丈夫?」
「任せなさい」
「じゃあ、乗ろう」
「ママは、ここで見てるからー」
では、乗りますか。
「早く早く!」
ジェットコースターに乗り込んだぞ。
スタート地点、僕の横で健都くんが緊張した顔してる。
「怖くなんかないんだから」
「うん、そうだよな。フフフ」
動き出したぞ。
登って行く。
一番上まで来たな。
そして一気に下りだ。
「わー!」
「キャー!」
健都君は、必死でしがみついて我慢してるな。
ジェットコースターは、コースを一周してゴールした。
「良く頑張ったね」
「当ったり前だよ!」
「フッ、楽しかったな」
「次は、何乗ろうかな?」
「今度は、ママも乗れるのにしような」
「わかってるよ」
美都さんは、僕達の写真を撮っていたみたいだ。
「ほら見て、この顔。怖くて仕方ないの」
「怖くなんかなかったもん!」
「強がっちゃって」
美都さん、そこは突っ込まないでやってよ。
「じゃあ次お化け屋敷ね」
「え?ママ怖いー」
ほらほら、そうなるんだよね、フフフ。
「健都。ママ、メリーゴーランドが良いな」
あれは恥ずかしいよな。
「あんなの嫌だ」
うんうん。
「あら、何でよ?ちょっと前までは喜んで乗ってたのに」
「あれは、女の子の乗り物だよ」
そんなわけで、次はお化け屋敷に決定!!
【お化け屋敷前】
「ほ、本当に入るの?」
美都さん、本気で怖がってるみたいだ。
いつもはちょっと、アネゴっぽいって言うか、皆んなの頼れる先輩でお姉さん的存在だけど、お化けが怖いなんてちょっと笑える。
いやいや、可愛いとこ有るんだね。
「天空路さんたらニヤニヤしちゃって、そんなにお化け屋敷に入りたいの?」
「うん、入りたい入りたい、フフフ」
「ほら、おっちゃんも入りたいってさ」
あれ?
いつの間にか「おっちゃん」になってる。
「ママ早く!行くよ」
「しょうがないな…」
腰…引けてるけど。
【お化け屋敷の中】
「ゆ、ゆっくり行ってよね」
「わかってるよ」
「ヒャーー!」
「モシモシ美都さん?まだ何も出てないよ」
「いつもパパとの時は、ママを置いて先に行っちゃうんだ」
「だからよけい怖いのよ。1人になっちゃうんだもん」
「おっちゃんは、優しいね」
「え?普通でしょ?」
健都君が、なにやら複雑な顔で僕を見ている。
「ほらママ、行くよ」
ママと手を繋いだぞ。
〈ニコニコしながら2人の様子を見ている遊〉
うん?
そして、反対の手で僕の手を繋いで来た。
フフフ。
少し震えているのは、黙っておこう。
少し行くと、お化けの攻撃(?)が激しくなって来たぞ。
「ヒャーーー!」
「だ、大丈夫だよ、怖くないからね(ママが怖がるから、俺がしっかりしなきゃ)」
健都君、元気が良い男の子だけど、少し優しくママに接するようになった気がするな。
「ヒャーーー!」
「わっ!」
2人で僕にしがみついて来たぞ。
健都君もやっぱり怖いんだね。
う~ん、美都さん…何だか良い匂いがするぞ。
こんなに近くに居る事って無いからな。
今まで気づかなかったけど、何の香水かな?
美都さんらしい香りで、とっても似合ってるな。
「ほら、もうすぐ出口だよ」
頑張れ小さなナイト。
【お化け屋敷出口前】
「あー、怖かった」
「ママお腹空いた」
「そうだね、ご飯にしようか」
【ガーデンテーブル】
「ねえ、天空路さん。お弁当のおかずで何が一番好き?」
「卵焼き」
「あら、当たり前過ぎ」
「僕とおんなじだ」
「天空路さんも子供みたいね」
そんな事を言いながら、美都さんは手作り弁当を開いてくれた。
「うわぁ、美味しそう~」
「ママ料理上手いんだぜ」
「さあどうぞ食べて。卵焼き、好きな味だと良いけど」
「頂きます」
「アハハ」
健都君と同時に卵焼きに箸をつけた。
「美味しい」
「旨い」
同時に言った。
「アハハ、凄い気が合うんだね、2人は」
「おっちゃん、ママの事好き?」
「え?」
「ちょ、ちょっと、いきなり何聞くのよ」
「ママは、おっちゃんの事好きなの?」
「もう、健都ったら…」
「おっちゃんと再婚すれば?」
「全くこの子は、何を言い出すかと思えば…天空路さんは初婚でママはバツイチだし…」
あれれ?
健都君が俯いちゃったぞ。
「パパが…再婚するんだ。新しいお母さんが来るんだって」
「え?そうなの?」
「早くママと一緒に暮らしたい」
「そうだね、ママ頑張るからね」
「おっちゃんがパパだったら良いのに」
そんなふうに思ってくれて、嬉しいね。
でも、美都さんはどうなのかな?
僕の方が2つ年下だし、全然相手にされてないような気がするよな。
ほら、困った顔してる。
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