第16話 まるで緑の化け物が弟子を守った時の様に
あっという間に体育祭当日を迎えることになる。
俺は布団の中で考えた。必死に考えていた。
小鳥がさえずる中、
頭をフル回転させ
将棋の名人が神の一手を探す様に必死に。
怪文書を作って学校に送るか。学校を爆破するか。校長を猫缶で誘拐するか。
どうしよう、どうすればいい、
「お兄ちゃん、朝だよ」
「お腹……痛い」
俺はお腹を押さえうずくまり、
「あれ……イタタイタタタ?」
布団にくるまりながらチラチラ妹の反応を伺う。もう一押しかな。
「痛いな~痛いな~。おかしいな~おかしいな~。怖いな~怖いな~」
「何が怖いのよ……ダメ兄貴」
美咲ちゃんの反応が怖い。
「お休みかな~、お休みかな……?」
「すぐに降りてこないと朝食抜きだよ」
お兄ちゃんと妹は冷たい笑顔で俺に告げた。
布団に入っているのに吹雪に吹かれているような感覚。
これではお布団様のご利益も半減というもの。
今日の朝食はフレンチトースト。
卵がきいて甘みもありやわらかくて食べやすい。
朝にはもってこいの朝食である。
「おはよう、強ちゃん、美咲ちゃん♪」
玄関開けると毎度おなじみ巨乳がいる。
この世界はどこか呪われている。
どこでも巨乳がある。
ネコ型ロボットも思いつかなかった秘密道具だろう。
助けてドラえもん!
俺は
「いよいよ体育祭だね!」
「えぇ、頑張りましょう!」
いつものBGM会話を聞き住宅街
こんな日に限って天気がいい。快晴だ。
雲は仕事を放棄した。少し肌寒く本当にお腹が痛くなりそうだ。
学校につくとみな戦闘着に着替えている。
「オマエの鎧新しくない?」「あぁ、分かる? これ特注なんだわ」「その槍、何の素材だよ!」「グレイトドラゴンでふよ」「スピード重視のロケットブーツでいくかなー」「ちょっと貸して、その兜装備させてくれよ」「これは戦士の中でもグレートウォーリアしか無理な奴だから」
鎧を着るもの。魔道服を着るもの。
実に楽しそうな体育祭。嫌気がさすぜ。
俺はいつも通りジャージを着た。
学校指定のジャージは黒で襟元などにワンポイントで白の線が入ってる。
防御力もそこらへんの鎧とも引けを取らないらしい。
見た目はジャージなのに。
しかし、
だってマカダミアだもの(みつを)。
「櫻井……お前……」
「なんだよ……強?」
悲しい眼で俺は櫻井を見つめた。
ピエロも同じくジャージ。残念だ。
ジャージなんて全くもって、残念だ。
きっとオートクチュールってやつなのだろう。
オートクチュールが何かは分からない。
クトゥルフ神話の親戚だろうか?
まぁそっち系のどす黒い煌びやかなピエロ衣装が見たかった!
ピエロの衣装は高そうだからな~。
いち高校生に買える金額ではないか。
今日という日には間に合わなかったかだけかもしれない。
誠に残念だ。遺憾の意を発動する。
「なんかメンド臭くなってきたな……強、サボるか?」
櫻井がすごく魅力的な提案をしてきたのに
自然に顔と口が
「さぼ――」
勝手に上下しかけるのを、
「らねい!」
いかんいかんと無理やり左右に動かして振り払った。
「だめだ。妹君との大切な約束がある。お昼ごはんを一緒に食べるという」
「そうか」
美咲ちゃんとのご飯を食べなければ兄として生きている意味がない。
「じゃあ、俺はサボろっかな」
櫻井がうらやましい。妹がいない櫻井には関係のないことだ。
――櫻井……ッ!
けど、俺は大事なことを思い出した。こいつは頑丈ピエロ。必ずや役に立つ。アイギスの盾より固かろうピエロ。それが櫻井。ダメージ耐久競争があったのだ。
「まぁ、櫻井。せっかくの年に一度の体育祭だ」
俺は微笑んだ。高校生の本分を説くために。
「学校行事なんて楽しめるのはいまの内だけだぞ。学生の内だけ。俺と一緒に爽やかな汗を流そうぜ。大人になった時酒を飲んで笑いあえるような、楽しい思い出を作る為に俺と一緒に行動しようぜ♪」
「イヤに……やる気だな、強ちゃん……」
「さぁ行こうぜ、櫻井。俺と一緒に青春の汗を流そうぜっ!」
俺は目を輝かせて爽やかに盾に手を回した。
「ん? 盾?」
――あれ?
「強ちゃん……なんかヒドイこと考えてません?」
「あっ!」
しまった! 俺は焦った。
ピエロの疑いのジト眼が俺に向いている。考えを読まれた!
心を無にするのを忘れたぁあああ!!
気づかれてしまったならば仕方なし、実力行ぅ使しぃ!!
「
俺はピエロのみぞおちに一発打ち込む。
「おぐっ!」
「しお!」
バトミントン世界一のコンビにもなった二人を掛け越えに使う俺達。目に留まらぬ鮮やかな連携により気絶したピエロ。半死体を担ぎ無理やり整列の場に運んでいく。
盾の調達は済んだことだし、これで体育祭の準備は万端だ!
グラウンドに集められ保護者の見世物となる生徒達。
「僕達、私たちは、スポーツマン精神に則り、全力を尽くし、」
そして代表が宣誓する。
「安全に華麗な競技を行うことをここに誓います!!」
ピエロを肩に担ぎながら俺は話を聞いていた。俺は誓わない。勝手にやってくれ。空気を読めない巨乳はひとり「おぉー!!」と叫んで腕を上げていた。
クラスごとに決められた隅の場所に座り、
俺は櫻井を寝かして
「あれ……ここは?」
「出番まで安らかに眠れ、櫻井」
「すん!」
アゴを殴って気絶させた。介抱している。
強制的体力回復行動。
発動するためのダメージもあるがしょうがない。
だって、強制だもの(愛だブツよ)。
明らかに俺達二人は異物のような感じで脇にいる。
「体だりぃわ!」「今からいい訳かよ!」「頼むぜ、お前のせいでクラスが負けるかもしれないぞー」「なんだよ、ソレ! 俺の配分が大きすぎねぇか?」「確かに、デカすぎて分不相応だな!」
他のクラスメートときたら祭りと言わんばかりに盛り上がっている様子。
「頑張ってね、セイヤ!」「まかしてくれ! このスーパースターに不可能はない!」「セイヤ……」「田中、私の応援よろしくね!」「頑張るでふよ、クロたん!」「うん、頑張る!」
リア充タイム確変中。
それに比べてこちらは死体ピエロとランデブー。
「鈴木さん、コッチに来て写真撮ろうよ!」「いくー、いくー!」「魔法少女の衣装かわいいね」「ピンク好きだからね!」「鈴木さん、コッチで一緒に見ようよー」「佐々木さんと写真撮ったら小林さんの所にいくねー!」
玉藻は他のクラスメイトとワイワイしている。
意外とあいつはどこにでも溶け込む。
俺や櫻井と違って知り合いも多いみたいだ。次々と話しかけられている。
頭スッカラカンの方が人から愛されるのだろう。
世界はアイツに優しく、俺にヒドイ。
俺はアイツの人気に軽く嫉妬する。
「くそ……ここは?」
声を出したピエロに
「――キュンッ!!」
俺は嫉妬の一撃をお見舞いし意識を刈り取る。
「まだ早い。お前の出番はもうちょい先だ」
話し相手がいない体育祭。俺の前で次々と競技が行われ、アナウンサーみたいな放送部員が運動会を盛り上げようと意味不明なコメント連発。
何が頑張れ紅組、負けるな白組だ。
二重スパイみたいなコウモリ野郎の発言である。
学生のお遊びコメントなどうすら寒さすら感じる。
やはり古舘伊知郎は優秀だった。
あれぐらいアツイ気持ちの籠った言葉でなければ、俺の冷めた心には響かない。
段々とテンションを落とす俺。ピエロが簡単に目覚めない様に介抱を続ける。
「「「「田中さん、がんばってくださぁいー」」」」
千五百メートル持久能力浮遊競争にはキモオタが出場していた。
やつの取り巻き4人組の女子が必死に豚を応援しているのが何よりの証拠。
――カッコが多いとカッコいいの?
「まかせる! でふ!!」
――でふ……そんな喋り方のやつのどこがいいの?
俺には理解不能である。黄色声援を送るおつきの女子。
しかしながら、俺も少しだけキモオタ鑑賞をしようと思った。
あいつの魅力が何かを探るために。
出来れば俺もモテたいざかりの男子高校生。
千五百メートル持久能力浮遊競争とは、
能力や技を使って最高到達点と浮遊時間を競うゲームである。
単なる高跳び競技をカッコよく言っているだけで、
要は高く飛んでいろってだけ。
「ジャンプでふぅううううううう!!」
――デブの間違いなのでは?
参加者が一斉に空中へと飛びあがる。
キモオタが高く飛びあがり豆粒ぐらいになっていく。
何が楽しいのか? 何がそんなにむずかしいのか?
何がそんなに奴らを熱くするのか?
まったくわからない。
そもそもこの競技……俺が出ればずっと浮いてられるのだけど。
何を競っているのかもわからん。空中でもう一回ジャンプするだけなのに。
観客は高く上がった選手たちに驚きの声を上げていた。
「すげぇ、ジャンプ力!」「あれ、飛びすぎじゃない!?」「うわぁあ……」「これはトンだなー」「あれだけの重装備でよう飛べるわ……」「まじ、ぱない」
――夏の俺の方がスゴイ飛んでるんだけど……。
選手たちが鈍重な音を出して着地する。
「一位、田中選手!」
俺の予想だにしない結果を持ち帰ってきたみたいだ。
「やったね、田中君!!」「まかせるぶい!!」「田中さん、かっこいい!」
キモオタは一位を取って帰ってきた。田中コールがクラスから巻き起こっている。クラスのみんながキモオタとハイタッチをしていく。
無駄に人気者だ。眩しいくらいの人気者だ。
やっぱり俺には理解できないし真似できない芸当だ。
太った体で飛んだのが感動をよんだのだろう。
飛べない豚はただの豚だ。
飛べる豚は人気者になるらしい。
さすが宮崎駿。
真実を如実に語ってくれていたようだ。
「………………」
光景が
薄暗い井戸の底を眺めているような気分になれるピエロ。それが櫻井。
「俺は……何度でも……蘇る……オゴ!」
俺はまた介抱した。ミスターサンドバッグ。それが櫻井。
「眠りにつけ、ピエロ」
櫻井が競技の番になったので、
「さぁ出番だぞ、ピエロ! 起きろ!!」
俺はピエロを頬をペチペチと叩き、起こす。
「強……オマエ」
やつは眠気眼で俺を睨みつけた。
【ダメージ耐久競争の各クラスの選手はグランド中央にお集まりください!】
アナウンスで出場選手が呼び出されると同時に、
「逃がさんぞ、櫻井。早く整列しろ」
オロチ先生がこちらへ。
「お前が出ないと俺の評価が下がる。クラスの評価もな。おまけに俺のボーナスにも響く。逃げんじゃねぇぞ」
「なっ!? 自己都合で生徒を扱うなんて、頭オカシイぞ!?」
ごもっともです、櫻井氏。
「アンタ!? 教師の風上にも置けねぇナァ!」
「とりあえず、行くぞ」
「いやだーー!」
櫻井は首根っこを掴まれてオロチに連行されていかれる。道中、玉藻は頑張れ、櫻井君と声援を送っていた。櫻井は無理矢理に死刑執行所に連れていかれているのに、頑張りようもない。
さよなら、ピエロ……。
俺はひとりぼっちになって体育祭を観戦する。
◆ ◆ ◆ ◆
私の種目が始まったので立ち上がると、
「美咲、頑張れ!!」
昴ちゃんが大きな声援をくれましたので私は両手を胸の前で握って返す。
「いってきます、昴ちゃん!」
気合を入れて私はグラウンドの真ん中に歩いて行く。
だけどちょっと怖さがある。
競技内容が分かって兄が心配するのも納得しました。
ダメージ耐久競争とは、
相手から放たれる攻撃ダメージを如何に耐えるかという……
わたし向きではないものでした。
攻撃されたものは攻撃力に応じて得点が加点されます。どれだけ強力な攻撃を受けたかで点数が決まります。受けた分だけ加点されていきます。
しかし、途中で倒れたり気を失うと失格という扱いであり、
最後まで立っていたものだけが得点を得られます。
さらに競技後はケガ人が続出しますので、そのあとの回復競争競技要員として使われます。だからこそいっぱい怪我をしたほうが後の回復系の子たちのアピールポイントにもつながるというキチガィ――ではなく、連動した競技となるわけです!
私がどうやって得点を防ごうか作戦を考えた結論――軽い攻撃だけできるだけ回収して、数で勝負するしかない!
塵も積もれば山となる作戦!!
それが私の作戦です。
【それでは選手の方はグラウンド中央にお集まりください】
グラウンドの真ん中に選手が集められ、それを円で囲うように攻撃側の生徒たちが配置されていきます。何か貧しい集落が王の騎士団に取り囲まれ残虐に蹂躙され殺されそうな感じです。選手側は一方的にやられるだけというシステムがまた何とも言えません。
これは村が王族兵団にヤラれる光景にそっくりです。
「櫻井先輩!?」
競技位置につくと隣に櫻井先輩が。
「美咲ちゃん!! これに出てんの!?」
先輩はびっくりした顔をしてました。
「ちっ、そうか。だから俺を盾にするって……」
ただ一瞬で何かを考え着いた顔に変わり。
「くそ中途半端に考えやがって。この展開を読み切れなかったぜぇ!」
「えっ?」
盾?
何を言っているかはわかりませんでした。
「美咲ちゃん早く棄権して!」
「でも、クラス委員ですし、」
「そんなことよりも――」
「ダメージ耐久競争開始でぇーす!」
会話を遮るように競技が開始され有志の生徒達から攻撃魔法があられのように降り注いできました。
空を埋め尽くすような砲弾の数々。
逃がさんと言わんばかりで、
火の玉、氷の刃、風の竜巻、ビーム光線。
どれもこれも受けきれる気がしません!!
「――うにゅ」
正に惨殺と言わんばかりに村人役へ激しい攻撃が展開されました。
私は思わず目を閉じて頭を腕で覆い隠しました。
わたしに集められる塵などなく本気の弾丸。
すぐに倒れて終わりだろうなと思って、
――ごめんなさいです、みんな
クラスのみんなに心の中で謝罪しました。
……あれ?
けど、結構時間が経っても中々攻撃が来ません。
「ナンジャコリァアアアアアアアア!」
爆音と他の選手の悲鳴だけがはっきり聞こえるのになぜか私に攻撃が届かない。
「ウワォオオォオオオオオオオお!!」
薄く目を開けてみると目の前に両手を横に広げた男の人が立っていました。
「しぇ、しぇんぱい!」
櫻井先輩に雨あられの様に攻撃魔法が降り注がれていました。
それを両手を広げて体でめいいっぱい受け止める櫻井先輩。
肉体が小刻みに衝撃で揺れています。
「やっちまえーー!! ピエロォオオ!! すべての攻撃はお前のものだ!!」
兄の声援が聞こえました。
「櫻井君、その調子~♪」
おねいちゃんはなんでそんなに楽し気ッ!?
先輩を殺す気ッ!??
玉藻おねいちゃんの声とは別に外野から殺意がこもった声も聞こえます。
「美咲様に当てたら、地の果てまでも追いかけてブッ殺してやんよ!! 絶対に!!」「そうだ!! そうだ!!」
私の名前を変な敬称をつけて誰が叫んでいるのか……『そうだ』と言ったやつはわかります。私の兄です。周りの選手たちが
「ヌァアアアアアアアアアアアア!」
早くしないと先輩が!!
「もうやめて――」
こんな残虐な光景に私は思わず叫ばずにはいられなかった。
「センパイが死んじゃうぅうううう!!」
何故かはわかりません。
「「美咲様から……」」
攻撃陣の掛け声が揃いました。
「「「センパイと呼ばれている……だと!?」」」
まるで全員が感覚を共有して意思疎通が取れた様に。
「「「「「アイツを狙えぇえええええええええええええ!!」」」」」
最後の方は何故か攻撃陣は一斉に櫻井先輩を狙ってきます。
一点集中と
櫻井さんは攻撃を受け続けます。
まるで緑のナメッコ星人が弟子を守った時の様に。
頼もしい背中を見せて叫んでいました。
「ウヌォオオオオクソオオオオオオオオオオオオ!!」
――ピッコ〇さんぁあんんんんん!!
制限時間が終わり爆風が止みました。
「チッ……」「殺し損ねたぜ………」「あと三十秒あれば……」「クソっ!」
攻撃陣から謎の舌打ちが聞こえます。
残っている人数はもはや指で数えられるほどしかいない大虐殺。あちらこちらで煙を上げて村人ABCと数え切れない人たちが瀕死になっている。なんという恐ろしい競技。
――危うく皆殺し………。
【レコード更新です】
アナウンスが流れました。
【最大ダメージ歴代記録の1億点をはるかに凌ぐとてもつもない数字が叩きだされました……!】
私は慌てて看板の点数を確認する。
――私が0点で、他の人が数十万点。
――櫻井先輩だけが
【みなさん、ご覧ください!!】
――三億点!!
桁がおかしい!!
「せ、先輩!?」
衝撃の事実に私は背中に喋りかける。
「美咲ちゃん大丈夫だったかい……」
二位が五十万ダメージとかなのに、
「イヤ、先輩こそダイジョブなんですか!!」
先輩だけ桁がインフレしてますよッ!!
「こんなもんじゃ俺を殺せないよ」
――あれだけのダメージを受けて、
「オロチの体罰に比べたら五歳児のような一撃」
焼け焦げたような匂いと体から煙が出ています。
「への河童よ」
先輩は服が焼ききれており、ジャージが布きれ一枚になり、
――先輩はなんともなく……
腰に巻き付けたような状態。ターザンのような格好。
――ないッ!?
「せ、せせセンパイ――」
「美咲ちゃんが無事でよかった……」
カッコつけている先輩がこちらを振り返った瞬間、
「ああ、危ないです!」
「へっ?」
布切れが風に飛ばされそうに!?
いたずらな風がざわついた。私の視線はアソコに向いている。全裸になりかけた先輩に私は驚きのあまり両手で目と口を覆いました。見てはいけないと。
「きゃぁああああーー!!」
「消えろぉおおおおおおおおッ!!」
突然の疾風が私の体を殴る。
凄まじい衝撃音。大気が揺れる音がする。
「美咲ちゃん……」
うっすら目を開けると見慣れた男がいた。
ソイツが一瞬で私の前に現れ先輩を殴り飛ばしたみたいです。
「危うく目に毒を盛られるところだったね」
遥か空の彼方に先輩は《星》》となり消えていきました。
そのあと先輩の点数が更新されていました――
十億点に。
兄の一撃は七億点。
空は澄み渡り曇りなどない。
無限に広がる青の一部に先輩は吸い込まれていった。
先輩はいずこに……?
≪つづく≫
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