夕闇ダイバー

※この物語はフィクションです。実在する人物、組織、建物とは関係ありません。



辺りが深い闇に包まれ始めた時間。静かに人々は帰路につく。

そんな中でも私はこの辺りで一番高い場所に居る。私はそんな景色を見渡した。そして、愛着を抱いた。


そして、この夜の闇に溶け込みたいと思って、私は闇に抱かれる様に飛び出した―――――。



目を開けるとそばに可愛い女の人が居た。血は出ていない。高い場所から落ちて来たのに女の人は怪我していない感じだった。

「だいじょうぶ?」

話し掛けたら女の人は目を覚ました。むくっと起き上がると頭を擦っていた。

「あ痛たた…」

「お姉ちゃん、あそこから落ちて来たんだよ。でも何処も怪我していないね」

ビルの屋上を指差した。

「そう言えばそうだね」

「だいじょうぶなの?」

「ちょっと頭と体が痛いけど、かすり傷程度じゃないかな。心配してくれてありがと」

女の人はそう言うと、警察や救急車が居る方に消えてしまった。その人と入れ替わりに警察の人に声かけられて、あった事を話した。


その後にお母さんが迎えに来るまで駅で待っていたんだけど、そこでお姉ちゃんに会った。

「ねえ、君?あそこの人がいっぱい居る所で飛び降りた人を見なかった?」

「見たよ。」

「怪我はしていたの?」

「していないよ」

お姉ちゃんは「そう。」と呟くと一人でどこかに行ってしまった。

良くはわからなかったけど、不思議な人だった。




〜「夕闇ダイバー」end〜

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