第7話 店じまい、残務整理、ごめんなさい、逃亡w
仕入先への支払いをしつつ自分とバイトへの給料を払ってギリギリやっていたところに東日本大震災でボロボロになり、ホテルのテナントに入って6年目?バイトのお嬢さんは3年目?だったろうか?売り上げが取れないので3月いっぱいでだったか?急遽辞めてもらうことになった。
支払いも出来るだけ頑張ったが、おかしいんだ。こんなに支払いが多いはずがないのにあり過ぎるんだ。売り場で仕入れた以上にあり過ぎる。それが辞めることになった理由の一つ。
それでも頑張って販売した。
中国韓国のインバウンドは放射能を恐れて誰も来ない。
テナントに入ってから2~3年目には特亜のお客ばかりになってお土産の売り上げは駄々下がっていたところが、今一切来ないんだから下がりに下がり売れやしない。
それでも頑張って販売。
そんなある日の朝の仕事終わり、また恐ろしい電話が掛かって来た。
「売れてるかい?」
「売れてないですよ。あんなことあったんで客なんていませんし」
「もうちょっとしたら、息子と一緒にそっちに見に行くからね。そして、泊まるから」
「え!?来ても困ります。布団もないし…」
(ある。けど帰って即捨てるから。)
「嘘言ってるんでしょ。2、3組布団あるって聞いてるよ」
「いや、店閉めるってなって色々荷物整理して捨てたから無いです」
(まだあるけど、捨てる。今日捨てる。だからない。だから来ない方がいい。どうせ来たら今年の分として取れる月から貯めた私の分の給料根こそぎ取られる。取られたら終わりだ。)
「嘘言ってるでしょ!」
「嘘じゃないです。それに来ても売れないですから意味ないし無駄ですよ」
(嘘だけど、これから帰ったらすぐ捨てるから来る頃にはないので嘘じゃない。)
「でも行くから。行く時にまた電話するから。じゃあ元気で仕事するんだよ」
プツ。
家に帰ると速攻で使ってない布団縛ってゴミ捨て場に捨ててやった。
これでまた電話来た時に泊まれないと言えば来ないだろう。
鷹の雛が死んだ 野見宿禰 @uhati
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