第5話 社員一人っきりの弱小企業平社員が孤軍奮闘!?
言っていたかわからないけど、御社は現在平社員一人のみの会社ですw
社長が亡くなり、私しかおりません。とは言ってもバイト一人と訳アリ社員みたいなものはおったのですが…。
ハッキリ言って面白いと言うか、奇妙なエピソードは一杯あるのですわ。
5話の副題でもある社長がいなくなってからのこと、それ以前のニートから思っていたのとは違う就職。それから百貨店関係周り。一世一代の失敗。会社仕事の流転。聞きかじった佃煮会社の裏側顛末。雪まつり。続雪まつり。新天地の光と影。
もうしっちゃかめっちゃかよ。
『鷹の雛が死んだ』後、会社の経営は私に丸投げされた。
この会社内では今まで色々してきたが、基本していることは変わらない。
違うのは今まで社長が決めていた支払先の優先順位を私が決めることぐらいだ。
しかし、この時点ではほぼ会社のお金は無いと言っても過言ではない。
釣銭として用意していた3万円以外は私が抜けていた一日分の売り上げしか残されていないのだ。その売り上げも18000円ぐらいだったと思う。そこからテナント代15%引かれるんだったっけか?その残りがうちの取り分だ。
私にとってもね。
自分で働き稼ぎながら自分の給料と支払いをしなきゃいけないのだから。
お金を貯め、ちょびちょびと支払いをし、給料を取る。
そして、何とか会社を回せていた。
仕入れやパッッキングなどなど全部出来る。社長なんていなくても成立するのだ。
そう考えると、うちの社長は亡くなる半年ぐらい前まで出張して働いていたのだが、いったい何をし、どれぐらい稼いでいたのか?謎だった。
程なくして、社長の奥さんから電話が来るようになった。
本社は旭川だったこともありそちら側に支払いの明細が届くこともあり一日の売り上げがどれだけだったか?連絡を入れて欲しいと言うことだった。
私は今までは社長にしていたそれを奥さんに言うことを受け入れ、支払先の名前と金額などを教えてもらうようになった。
しばらくはいつもとそう変わらない日常が続いた。
そう変わらない日常と言っても決して良いモノでは無い。
ホテルのテナントで入った5~6年前?から比べるとお客さんの質が落ちたのだ。
インバンドてやつでね、中国、取り分け韓国のお客は何も買わない人が多いので年々売り上げは右下がりだ。
そして極めつけは旅行会社の添乗員が自社かお土産品の会社と手を組んでバスの車内で通販し出したのだ。これには参ってたねー。
添乗員はそのお土産屋からキックバックを貰っていたらしい。
度々、内で買うことを決めたお客に話しかけ、話し終わると買うのを止めることや買った物を返しにくるお客すらいた。
そんな厳しい状況でも、自分一人とイレギュラーとバイトで何とか出来た。
ある日、社長の奥さんからの電話に出ると売り上げがいくら貯まったか?を聞いて来た。差し迫った支払いとバイトの給料、それに自分の給料・・・分には足りないけどそれを引いたら今はほぼ何もないことを告げると豹変したのだ。
葬式で会った際、会社は続けて良い、お金は入れろと言われてはいたが、利益はないようなものでとても奥さんに渡せるものはない。
そもそも、大分前に会社の役員も降りていたのに、どうしてあげる必要があるのか?
彼女は働いていない。私にはその理由を見い出せなかった。
そうこうすると奥さんは次の月はきちんとお金を貯めて置いて支払いなどは私の指示道理にするよう求めて来た。
私は腑に落ちないながらも承諾したと思う。
2月まだまだ寒い中仕事は厳しいながらも順調に続いた。
そして締め日、バイトの給料や自分の給料、支払いのお金を仕分けて電話を掛ける。
まあ指示を仰いだんですわ。
そしたら売り上げからバイトの給料、自分の給料、支払抜いたらまたもや何もない計算ですわ。ここで私と意見が割れる割れる。
支払いをせずにこっちに入れろ一点張りですわ。
私はそれは出来ないと突っぱねる。支払わなければ商品を仕入れることは出来なくなる。支払いが割と高額だった為遅れると言うことは死活問題に発展する可能性がある。だが、世間知らずで心の弱い私はガミガミと強い口調で言われてATMの前で一進一退の攻防をすることとなる。
入れるか?それとも支払いを優先するか?の攻防。
私が月々取ってた給料を回せば支払いも出来そうではあるが、そんなことすれば回らなくなるのは目に見えていた。
結局、機械で何回か入金の操作をするも、社会人として支払いは優先されると全部支払い、残りをバイトと自分の給料に回した。
「やっぱり駄目です。できません。支払わなかったら仕事が出来なくなる」
泣きそうになりながらもそんなことを言っていたと思う。
そして、ガミガミ言う電話をガチャ切りですわ。
その後は鬼電。
心の弱い私にはきつかったー
なので電源を切った。
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